僕の名前はトニー・ジェームズ。35歳。この国の主要な都市のすべてに支店をもつ巨大デパート企業のオーナーである大富豪のエドガー・ジェームズの一人息子だ。2ヶ月ほど前までは、僕はこの世界を支配していたようなものだった。父の会社で仕事をしていたが、「仕事」という言葉を使うのは多分、言いすぎだろう。僕は最終的には一族の財産を相続することになるのが分かっていたから、僕は他の者たちに僕の仕事を押しつけ、僕自身は、本店のオフィスで働く若く美しい女性社員たちと別のオシゴトに勤しんでいたのだった。
身を固めて結婚しようなどと思ったことは一度もなかった。望めば、いつでも、父の財力のおかげで好きな女を抱ける。だが、ある日、その考えが変わった。リサが本店のオフィスに来たときである。リサは北部にある支店から転勤してきたのだ。まだ22歳で、長い黒髪が顔を縁取り、シーガニー・ウイーバーを若くしたようなタイプの人だった。背は低く160センチくらいだが、体つきは、どんな男も涎れを流しそうな体型だ。張りのある胸は、まさに僕の好きなサイズだし、セクシーで見蕩れてしまう美しさの脚は、彼女が好んで着るミニスカートのために一層魅力が強調されていた。
僕は直ちにリサに夢中になり、早速、誘惑に取り掛かった。だが、すぐに分かったことがあって、それは、彼女は、僕の立場や一族の財産などに、影響されることがまったくないということ。それにもう1つ分かったこととして、これまで僕は財産や身分を背景にして女性を口説いてきたので、一生懸命に誘惑する必要がなかったのであるが、そういった控え目な誘惑の試み方が、かえって僕をいささか弱気な男に思わせてしまうということだった。よく、彼女の横ににじり寄って、それとなくほのめかすようなことを言って誘ったのだが、そういう時は決まって彼女は、他の従業員の前だと言うのに、僕の申し出をあからさまに断ったのである。しかも、高飛車で馬鹿にするようなやり方で。だが僕自身、奇妙だとは感じているのだが、そうされるとかえって僕は興奮してしまうのだ。このような気の強い女性に虫けらのように扱われ、僕の中に潜んでいた従属的な側面が目を覚ましたのである。こんな経験はそれまでなかった。そして、僕はますます彼女を自分のものにしようと決意を固めることになったのである。
それから2ヶ月ほど、僕はしつこく彼女を口説き続けた。そして、とうとう彼女も僕とデートすると言ってくれたのだった。嬉しかった。交際はかなり順調だったと思う。彼女もだんだんと僕に対して、優しくなっていったし、打ち溶け合っていたと思う。徐々にではあるが、僕たちは交際の深さを深めて行った。もっとも、大半が彼女の主導の元での深化ではあったけれども。リサがそれまでもずっと自分中心のやり方で付き合うことに慣れていたのは明らかだったし、僕もすっかり彼女の虜になっていたこともあって、僕は、彼女が望むことに何でも合わせるようにしていた。二人でどこにデートに行くか、いつ、どこでセックスをするか、どのくらいの頻度で愛し合うか。そのすべてを彼女が仕切っていた。これは僕の言葉を信じて欲しいのだが、愛し合う頻度は、正直、僕にとっては全然物足りないものだったのだった。僕は、間もなく、どうしてもリサと結婚したいと思うようになっていた。結婚して、僕が望むときにいつでも彼女を愛せる状態になりたいと思うようになったのである。彼女なしでは、僕は生きていけないと思うようになっていたのだ。
そして、とうとう、彼女も僕のプロポーズを受け入れてくれたのだ。幸運と言うほかない。二人の婚約を祝福して、2人でお酒を飲んだ夜のことを覚えている。かなり酔ってしまった夜だった。僕の酔いが回るに連れ、リサは僕に個人的な質問をたくさんするようになっていった。僕についてもっとよく知りたいからと言っていた。その時、彼女は、僕に好きな性的妄想について質問したのだが、あの時の僕の答えが、後になって蘇ってきて、僕を悩ますことになる。
あの時、すっかり酔ってしまった僕は、彼女にこう答えたのだった。僕が一番好きで、狂ったように興奮してしまうことはと言うと、リサが誰か知らない逞しい男と一晩過し、その後、僕のところに戻ってきて、僕に彼女のあそこをきれいにさせることだと答えたのである。その時は、リサはただ笑うだけで、すぐに何か他の話題に変わったのだった。
僕たちは、カリブ海のリゾート地で結婚することに決めた。僕と彼女の2人だけで式を挙げるのである。僕も彼女も盛大な結婚式は望んでいなかった。リサはパンフレットを取り出して、あるリゾート地の案内を見せてくれた。そこは、太陽の下、全裸のままぶらぶら歩き回りたいと思う人々のためのリゾート地だった。
「私、全身を日焼けしたいといつも思っていたの!」 リサは興奮しながら僕に語ってくれた。
僕は、そのアイデアにあまり乗り気ではなかったが、もちろん、彼女に同意した。前にも言ったように、リサが望めば、必ずその通りになるのであるから。いろいろなお膳立ては、すべて僕が行った。僕たちは2週間滞在する。1週目の最終日に、僕たちは結婚式を挙げ、引き続き2週目を同地ですごす計画だ。正直、その時が近づくにつれ、僕はだんだんと興奮を高め、わくわくしていたのだった。