「テッド2」 TED 2 By Mudrunner Edited By Storyteller (「テッド」の続編)

もし、あなたがパート1を読まれたなら、テッドが、僕の妻、母、姉、そして父を完全にコントロールしたことをご存じだろう。妻も姉も妊娠した。テッドは家を増築したいと望み、3家族ともひとつの家に同居するようになった。これによりテッドは、前より自由に3人の女を相手できるようになったわけである。父と僕は侮辱を受け続け、テッドと女たちのセックスを単に傍観する立場に成り下がっている。父も僕も、それぞれの妻とセックスできるのは、テッドがスペルマを放出した後に限られている。

昨夜、僕は父と話しをし、冗談のつもりで、テッドは僕や父のアヌスを犯すまで満足しないのではないかと言った。すると父は顔を真っ青にし、テッドにバイブを渡されたこと、夜の間ずっとそれをアヌスに入れておくよう命令されたことを話したのだった。僕も父も、これが来たる事態の準備段階なのだと思った。父には何も言わなかったが、僕は、恐らく次には、僕も父もテッドにフェラチオをするように命ぜられるだろうと思った。

続く2日間、僕はこのような事態の展開について考え続けた。そして、次のような結論に達したのである。つまり、僕は確かに弱虫ウインプであるし、同時に、両親や妻を心から愛しているので、親や妻のためなら、多くのことを我慢して行うつもりではいる。だがゲイやバイのようなことを行うつもりはないし、ましてやその欲求もないということだ。これだけは、我慢できない。僕は、何か行動を起こさなければならないと思った。

翌朝、キッチンにいくと、母とシンディがテーブルに座っていた。僕は、2人に話しがあるので聞いてくれるよう頼んだ。2人とも、了解してくれた。早速、僕は、テッドが僕にアナル・セックスやオーラル・セックスを強要するのではないかと心配していることを伝えた。そして、僕はテッドにそのような形で酷使させられることは絶対に断るつもりでいるとも伝えた。これを言った時の僕の気持ちは、まさに、合衆国大統領を銃で撃ったような気持ちだった。

母とシンディは、それを聞くや立ち上がった。母は、激しい口調で言った。

「お前、テッドが望むことをしてあげなきゃだめじゃない。その気がないなら、さっさと、荷物をまとめて、お母さんたちの目の前から消えること。お前のせいでテッドの機嫌が悪くなるなんて、お母さん、許しませんよ。いま言ったこと、もう一度、考え直しなさい」

シンディも同じ意見だった。僕は2人に改めて、訊いてみた。

「お母さんもシンディも、僕のこと愛しているの?」

2人の返事に、僕は打ちのめされた。母は、次のように言ったのである。

「私は、18年もお前の世話をしてきたの。もう、お母さんも、誰かに望むものをしてもらってもいい頃でしょう。もし、お前がお母さんの楽しみを奪うようなことをしたら、心の底からお前を憎みますからね。お母さんは、お前を愛していますよ。お母さんが欲しいものを手に入れてるかぎりはね」

僕は家を出た。

僕は、この時の会話で決心を固めた。母や妻が少しでも僕を支えてくれたら、僕はただ引っ越して、新しい人生を始めることだけで済ませ、母やシンディたちには今のままの生活を続けさせていたことだろう。だけど、2人は僕の心をあまりにも傷つけすぎた。僕は、反撃をしたいと、ただそれだけを考えるようになった。それに、その反撃をするのに必要なものは僕にはすべて揃っていた。

続く2週間、僕は、この家族の一員としての最後の一時に備えて、計画を練り、すべての準備を調えた。そして、その土曜日の朝が来た。

土曜日の朝、僕はオフィスから、自宅にいる父に電話をした。

「お父さん、ちょっと家族全員を集めたほうがいいと思うんだ。僕もお昼にそちらに行くよ。仕事関係でかなり重要なことが起きたんだ。これは、家族全員に影響が及ぶと思う」

「一体何が起きたんだ?」

「ちょっと電話では説明しきれないな。説明が二度手間になってしまうし。それに、今、知ったからといって、お父さんにできることは今は何もないんだ。だから、みんなが集まるまで説明を待ってくれると助かるよ」

「シンディやジョイス、それにお母さんは、買い物に出かけている。お昼には戻ってくるだろう」

「テッドにも来るように言ってください。じゃあ」

僕はそこで電話を切った。

父の家につくと、父を除くみんなが僕に腹を立てているのが分かった。土曜の午後の計画の邪魔をされたと怒っているのだ。母は僕の顔を見て、言った。

「お前、こんな風にみんなを集めて、よっぽど大事なことなの? そうじゃなかったら、お前、どうするつもり?」

「お母さん、今回のことで、お母さんのこれからの人生が大きく変わるかもしれないんだよ」

この僕の言葉で、部屋にいるみんなが静まり返った。僕は全員の顔を見回し、ゆっくりと説明を始めた。

「今回のことを話す前に、お父さんの会社について、その歴史を少し知っておく必要があると思う。みんな知っている通り、うちの会社はコンサルタント会社だ。でも、これは知らないかもしれないけど、お父さんは、元々、会社の営業のセールスマンで、実際に仕事の大半をしていたのは、お父さんのパートナーだったんだよ。そのパートナーの人が亡くなるまではそうだったんだ。問題は、そのパートナーの人が亡くなって、すべてがお父さんに任されてから、始まった。最初の数年間、会社の業務の仕方について、お父さんは変更とか改善を何もやらなかったんだ。その間、お父さんは、前と変わらず営業のセールスマンとしては有能で、新しい仕事をどんどん獲得してくれていた。でも、社内には、お父さんが獲得した仕事を最後まで行える人が誰もいなかった。その結果、どうなったと思う? 会社が倒産の危機に瀕してしまったんだ。お父さんは、いったんは会社を手放そうと思った。でも、結局、お父さんは僕に事情を話し、僕を説得したわけ。僕に会社に入り、社内の運営をするようにってね・・・

「・・・僕は、会社に入るとすぐに、すべてを改善し、それまでのビジネスの仕方を変えた。さらに若いエンジニアやスタッフを数名、新たに雇い入れた。そして、それから、さほど時間がかからぬうちに、さらに社員を増やし、もっと大きな敷地に会社を移せるまでになったんだ。今では、うちの会社は、この都市で2番目に大きな会社にまで成長している。お父さんも話してくれると思うけど、このように成長できた理由は、お客さんたちが、良い商品をきっちり時間を守って提供させてきた僕の能力に多大の信頼を置いているから、と言えるんだ・・・

「・・・こんなことを言うのも、今、僕たちがどういう立場にいるか、みんなに分かってもらうためなんだよ・・・」

そう言って、僕は父に向かって話しを続けた。

「お父さん?・・・僕は昨日の午後から今朝にかけて、うちの会社のお客さん全員にアナウンスしたよ。来週の月曜日から、僕は、今のライリー・アンド・スコット・インコーポレーションとは無関係になるって。その代わりに、アクメ・エンジニアリング・コンサルタンツ(参考)のコンサルティング企画部長になるって。今までのところ、ライリー・アンド・スコット社の小口顧客の60%と、大口の顧客のほとんどすべてが、僕と一緒にアクメ社に仕事を移してくれると言っている。これまでの仕事で満足していた主要な理由が、僕が仕事をしているということだったから、僕についてきてくれると言ってくれているんだ・・・」

僕の話しは、テーブルについている者のうち、父を除く4人には、あまり重要性を感じられなかったかもしれない。だが、その4人も、父の顔を見て、何か様子がおかしいと悟ったようだった。父の顔からは血の気が失せ、呼吸をするのもつらそうにしていたのである。父はほとんど口がきけないようだった。

父が何も言えずにいる間に、僕は話しを続けた。

「・・・だから、僕がアクメ社のポジションに移ったのも皆も分かると思う。今の3倍の収入を得ることになるんだ。・・・僕は、今の小さな会社の社員でいるのはやめたいわけで・・・」

そう言いながら、シンディに書類のファイルを渡した。

「・・・僕は離婚の手続きをファイルしたよ、シンディ。弁護士を見つけて、裁判所で採決してもらうまで、30日ある。君が不貞を働いたことの証人として、お母さん、ジョイス、テッドの3人の名前を書いておいた。もし、3人のうち誰か1人でも嘘をついたら、僕は、シンディの子宮にいる胎児に関してDNAテストを実施するよう主張するからね。そして、代理人に、嘘をついた人に偽証罪で訴えるよう依頼するから。この離婚に関して、僕は一切、慰謝料を払わないつもりだよ・・・」

「今、僕の家の前に出ている『売り家』の看板は、即時、撤去する。シンディ・・・、君はこれから24時間以内に自分の荷物をまとめて、家から出て行くように」

テッドが立ち上がった。それを見た僕は、大きな声で呼んだ。

「ロバート!! ダニー!!」

僕に呼ばれて、巨体の男が2人、裏のドアから家に入ってきた。

「テッド。僕は、君と殴り合いをしたら、確かに負けてしまうだろう。でもね、頭脳戦ならば、居眠りしていても、君なんかは簡単にやっつけられるんだ。ま、身体的に僕を脅かそうとする者が出てきたときのために、僕はここにいる2人の紳士を雇っておいたわけだけど」

テッドは、すごすごと腰を降ろした。

父はようやく口をきけるようになったようだ。父が発した言葉はただ一つ。

「どうして?」

「お父さん? お父さんはね、ウインプなんだと思うよ。よく分からないけど。僕がお父さんに言えることは、僕が感じていることだけだ。つまり、これまでの状況について、確かに、僕は許容してきたのは事実。妻もお母さんも愛していたからね。このドブねずみ野郎が、ずけずけとのさばり、やりたい方題するのを許容してきたよ。だけど、こいつは、僕の妻とセックスしたいときにセックスするだけじゃ、満足できなかったわけだろ? こいつは、僕がこれまで一生懸命働いて建てた家も手に入れようとしたし、僕をとことん侮辱したし、さらには、僕が自分の命より大切に思ってきたシンディとお母さんにも、僕を侮辱させた。おまけに、シンディを妊娠させて、こいつの腐った心根を受け継いだ子供も作っちゃったしね。たいていの男なら、これでもうたくさん、と思うんじゃないのかな?・・・」

「・・・だけどね、僕が決心した原因は、そこじゃない。僕はシンディとお母さんに、助けを求めに行ったことがあったんだ。僕はゲイでもバイでもないので、テッドに性的に使われるのだけはごめんだと。そうしたらお母さんもシンディも、まるで、悪いのは僕の方のような態度を取ったんだよ。その態度で、2人が、僕のことなど実際どうでもよいと思っているのを、悟ったね。まるで、街で拾った安娼婦にするのと同じような扱い。この2人にとっては、僕は存在していないも同然、存在意義があるとすれば、テッド、シンディ、お母さんの3人を性的に喜ばすためだけだろう。そのためならば、存在が許される、そんな存在になっていたんだよ。2人の頭の中ではね・・・」

「お父さん? お父さんは、そういう風に扱われるのも耐えられるほど、自分が結婚した、このあばずれ女を愛していてるのかもしれない。みんなの目から見たら、僕は、確かに、男らしい男ではないかもしれない。でも、もう本当に、僕はみんなにはうんざりしているんだ。僕の気持ちを変えようとしても、誰も何もできないよ。これから半年くらいで、みんなが当然、入ってくるものと思っていて、これまで気ままに吸い取ってきたお金が、干上がって、なくなってしまうだろうね。ところで、今の会社にいる優秀な社員はみんな僕と一緒に移ることにさせたよ。あの社員たちが、僕のスタッフの中心幹部になるはずだ」

僕は母親に顔を向けた。

「お母さんも、どうして僕がこういうことをしたか、もう分かったね。僕は、この地区でのお母さんの社会的な立場がぼろぼろになるように手配しておいた。だから、これからは、お母さんには大きな収入もなくなるのに加えて、この地域の友だちもいなくなるはず。でも、僕を除くこの部屋にいる者みんなとか、お母さんとシンディが連れてくるバカどもがいるから、構わないだろう? 昨日の夜、僕は、このノートに載ってるすべての人に、ある小包2つを配達するように手配したよ」

そう言って僕はノートを母の前に放り投げた。

「ひとつは男性に、もう一つは女性に配達される。小包には、ここでテッドたちみんながやってきたことを録画して、編集したビデオが入ってる。お母さん、覚えている? テッドに、シンディと一緒に四つんばいにさせられて、やった時のこと? テッドは、お母さんとシンディのあそこに、交互に突っ込みを繰り返したよね。そして、『他にもっと淫乱売女がいねえのか!』ってテッドが叫んでいた。あのシーンは、男性に送る方のテープの最後を飾るシーンにしておいた。最後のところちょっと加工して、テッドが、『今度は、お前の奥さんを俺専用の淫乱女にしてやるぜ。俺はいつでも狙ってるからな』って聞こえるようにしてあるけど・・・」

「・・・それに、テッド、お母さん、シンディの3人が、やり終わったところ。あそこのシーンも入れておいた。テッドはすっかり疲れて、真っ裸でリビングの床に仰向けになっていたけど、それを見てお母さんが、『シンディ? 私たち、逞しい男がもう一人は欲しいわね』って言ってたね。それを聞いて3人とも大笑いしていた。あそこのシーンは、女性に送るテープの最後のシーンだ。音声も、『私たち、近々、実地テストを始めるつもり。あなたのご主人、テストにパスするかもしれないわね』って言って、笑ってるように変えておいたよ・・・」

そこまで言って、僕は留守番電話のところに歩いた。

「明日、盛大なバーベキュー・パーティを開くんだろ? その準備の買い物に忙しかったんだろうけど。でも、ちょっとこれを聞いてみるといいよ」

僕は留守番電話の再生ボタンを押した。非常に取り澄ました声で、明日のパーティには自分も夫も出席しないことと、今後一切、お付き合いはしないことを告げ、受話器を置く音が聞こえた。その後のメッセージも同じような内容で、それが延々続く。5分ほど聞いた後、僕は再生を止めた。

「残りのメッセージは僕が帰っていってから聞くといいよ」

母は僕を顔を見て言った。

「どうして、自分の母親なのに、こんなひどいことを?」

「お母さんこそ、どうして、自分の息子なのに、お母さんやシンディがしてきたことを我慢してしろって言えたのかなあ? それにゲイのような真似もさせようとした。短い会話だったけど、この前、まさにこのテーブルで僕たちがした会話で、僕ははっきり分かったんだよ。僕にはすでに母親も妻もいなのだとね。お母さんも、シンディも、テッドの淫乱娼婦以外の何でもないということだ・・・」

「・・・それじゃあ、皆さんの健闘を祈るよ」

僕はそう言って出て行こうとした。父が呼び止めた。

「ちょっと待ってくれ」

「何? お父さん」

「私とジョイスについてはどうなんだ?」

「お父さん? このような事態になったのを容認したのはお父さん自身なんだよ。しかも、自分の息子を守ろうとも、助けようともしなかった。お父さんは、自分がこの状態を続けていきたいという理由から、僕を犠牲にし、僕にこの状態に合わせていくように期待したんだ。みんな誰も僕のことを考えていなかったし、これがどんな影響をもたらすかも考えていなかった。誰1人、自分のことしか考えていなかった。まあ、そういうわけで、僕も、そろそろ自分のことだけを考える時期になったと思ったわけ・・・

「そして、僕が自尊心を幾ばかりかでも保持できる唯一の方法は、ここから抜け出し、僕のことを、こんなにも軽視したアバズレ女どもにいくらか仕返しをしてやることだと思ったわけ。自分で乱したベッドは自分で直すことだね。やったことの責任は自分で。どんな戦争にも罪のない哀れな傍観者がいるものだが、この些細な戦争においては、ジョイスと彼女の子供たちが、それに当たるんじゃないかと懸念しているよ」

僕は最後にテッドに顔を向けた。

「テッド、君が、ここにいる哀れなウインプ夫と同じくらい男らしい男で、僕がしてきたように、ここにいる者たち全員を養い、医療費を払っていけるだけの経済力があるかどうか、お手並み拝見とさせていただくよ。ここにいる者の中で、結局、誰が本物の男だったか、すぐに分かるだろう。君は、この家族の知り合いの誰からも援助はもらえないし、父からも、ましてや僕からのお金ももらえなくなる。たまたま生まれの偶然からか、君は、人より大きなペニスを与えられていたかもしれない。だが、君は、これまで与えられてきたものを手に入れるためには、いっさい何もしてきていなかったのだよ・・・

「・・・まあ、ここにいる3人の淫乱女たちを使って、彼女たちを街に立たせて、金儲けすることはできるかもしれない。毎日の支払いをしたり、ビールとワインを飲みまくるくらいのお金は稼げるだろう。だが、もちろんのことだが、それを続けていくとすれば、女どもを街に働きに追い立てなくてはならないだろうし、その後どうなるかだな。それに、近々、請求が始まる医療費のこともある。それはちょっと考えておいた方がいいよ。かなりの額になるはずだ・・・

「・・・おっと、それから、テッド、君はお母さんをけしかけて、お父さんに、君を会社のパートナーにするよう仕向けただろう? とすると、会社の倒産に関しては、お父さんと一緒に君も責任を負うことになるね。逆に、お母さんは、君の命令で、僕を会社のパートナーにはさせなかったわけで、その点では君に借りができたかもしれない。そもそも、君が会社のパートナーなどにならず、会社に首を突っ込まなければ、お父さんは僕をパートナーにするほか道はなく、こんなことにはならなかったんだがね。お父さんは、このことを君やお母さんに全部、説明しようとしていたらしいじゃないか。少なくとも、会社の秘書は僕にそう言っていた。ああ、そうだ、その点ではお父さんに感謝するよ。この秘書の話を聞いて、僕は今日のことを思いついたんだから」

僕は皆に背を向け、玄関へ向かった。

玄関に着いたとき、僕の後ろで、断末魔の大騒ぎが沸き起こっていた。互いに相手の悪口を言い、この出来事の責任を押し付けあっている。僕は苦笑いし、家を出た。

1年後

父が電話をしてきた。

「今日、家に立ち寄って、私たちに会いに来てくれないか?」

「どうして?」

「深刻な問題があって、どうしても話をしたいんだよ」

「今、どこに住んでるの?」

僕は、あの日、出て行ってから、彼らには一度もコンタクトを取っていなかった。それに、向こうから誰かが僕に話したいことがあると言ってきても、僕は興味がないからと、話を断ってきていた。父から住所を聞き、ある意味、驚いた。今は政府が運営している、低所得者用の住居に住んでいるのだ。以前の父たちの生活水準からすれば、激しい落差である。

僕は不動産業の知り合いに電話して、僕が生まれ育った家はどうなったのか調査を依頼した。それから父に電話をかけなおし、そちらの都合がよければ次の金曜に行くがどうかと伝えた。父はそれでよいと言った。

火曜日、不動産の知り合いから電話が来た。あの家は倒産により銀行が差し押さえたらしい。父たちは半年以内に売却しようとしたが、うまくいかなかったと言う。僕は銀行に電話し、あの家の担当者と話しをした。担当者から、父たちが望んでる家の売却価格を聞き出し、それより低い値段を持ちかけてみた。思ったとおり、僕の提示価格にすぐに飛びついてきた。契約をしたいので、夕方かなり遅くなるが、担当の人がその時間までいるかどうか訊いてみた。担当者は、これにもすぐに飛びついてきた。そうして、僕は、その日のうちに、例の家の所有者となった。両親の昔の家の所有者となったのである。

続く金曜日、僕は父に教えられた住所に行った。ドアをノックした時、中で子供たちが泣き叫び、大人たちが怒鳴り散らしている声が聞こえた。

玄関には父が出た。父は僕を抱こうとしたが、僕は手を出し、ただの握手だけを求めた。これが父の心を傷つけるのは知っていたし、それを意図して行ったことである。父はリビングを通って、台所へと僕を連れて行った。

ごみ溜めのような家だった。家具は擦り切れ、壊れかかっていた。部屋中、臭いオムツの匂いがしていた。まさに、人間は、その住む環境によって変わるということを証明するものだと思った。

腰を降ろすと、父は何か飲み物が欲しいかと訊いた。僕はただ頭を振って断った。父は大きな声で家にいる者たちに呼びかけた。

「みんな、キッチンに来てくれ」

母、シンディ、ジョイスが現れた。それぞれ、赤ん坊を抱いていた。

みんながそろうのを待っている間、父は、アクメ社での調子はどうなのかと訊いた。

「前の会社のお客さんは全員、今はアクメの顧客になっているし、州のここ周辺の地域での新しい顧客も、大半、アクメが獲得しているよ。今のところ、アクメ社は、僕に対して約束を守ってくれているし、2回ほど、大幅な昇給もしてくれた。でもね、経営陣の上層部は、僕を解雇するチャンスをうかがっているのは知っているんだ。というのも、アクメの唯一の競争相手だった、うちの元の会社が潰れたわけだし、アクメにとっては僕の用は済んでいるわけだからね・・・

「・・・でも、僕の方も、これから2ヶ月くらいのうちに自分の会社を起こそうと計画しているんだ。すでにオフィスのビルも入手してて、その費用も大半支払済みだ。もちろん、僕が連れて行った元従業員も何人か僕と一緒にアクメを去る準備ができている。ま、僕の顧客たちには、僕がアクメを辞めたときに、一緒に替わって欲しいとは言っていないけど、これまで培ってきた人間関係があるから、お客さんたちの信頼に任せることにはしてるんだ。露骨に顧客を奪ったら訴訟沙汰になるけど、いま言った形なら、その懸念はないしね・・・」

父は僕の顔を見ているだけだった。しばらく間をおいて、ようやく口を開いた。

「お前、最初から、そうなるのを計画していたんだね?」

僕は、少し狡猾な笑みを浮かべていたと思う。

「まあ、ビジネスの諸問題を扱うことについては、良い先生がいたから」

「だが、そもそも、新しく事業を始める資金はどこから手に入れたんだ?」

「前の会社の時、ある企画があったのを覚えているだろ? その株を買うよう、僕が進めていた企画。でも、お父さんは、テッドとジョイスの家を増築するために、資金が必要だって言って、その企画には投資しなかった。ま、僕は仕方なく、当時持っていた僕の全資産と借りられるだけのお金を全部、あの企画に投資したんだ。投資した甲斐があったよ。投資金1ドルあたり、100ドルちょっとの見返りがあったかな。今は、あの株は全部、手放した。下降線に入る直前に売り払ったんだ。投資した人は全員、何らかの形で儲けたけど、大当たりしたと言えるのは、僕たち数名だけだろうな。その後は、その時の儲けを使って投資を繰り返し、ラッキーな状態が続いている。儲けの一部を使って、いくつか資産を手に入れたけど、今のところは、動くべき次の機会を狙って、待っているところかな」

女たちは3人とも僕を見ていた。母が僕に近寄り、キスしようとした。この時も僕は手を突っぱねてキスを断った。母は仕方なく、腰を降ろすだけだった。ジョイスには頬にキスをしてあげた。彼女の目から涙が溢れてくるのが見えた。嬉し泣きだろう。シンディには目もくれなかった。僕は父に顔を向けた。

「それで? 何か話しがあるって言ってたね。で、どんな話?」

父が居心地悪そうにしているのは、はっきり分かっていた。だが、僕は、この場の雰囲気を和まそうという気持ちは一切なかった。姉のジョイスに関しては、僕が出す条件に従う限り、助けてあげる決心をしていた。だが、残りの者たちは助けるつもりはない。当然の報いを味わうべきなのだ。父がようやく、口を開いた。

「実は、お前の援助が必要になってね。ぜひ、頼みたいんだ。お前が出て行ってから、暮らし向きがひどくなりだすと、すぐに、テッドは家を出てしまった。しかも、価値があるものを全部、取って行った。その後は音沙汰なしさ。私の給与は、医者や病院が訴えて、差し押さえられている。赤ん坊のための食べ物とかを支払うと、残りのお金がない状態なんだよ」

父が話し終えた後、僕はただ父を見ているだけだった。かなり間を置いて、僕は返事した。

「みんな、僕が喜んでみんなを助けるとでも思っているのかな? どうして、そんな風に考えられるんだ?」

母が言った。

「私はあなたの母親だし、彼はあなたの父親なのよ。それにシンディはあなたの元妻だし、あそこにいるのはあなたの子供。ジョイスはあなたの姉だし、あなたの甥も、そこにいるじゃないの」

僕は母を見て言った。

「僕の母親は、あの家のキッチンで死んだよ。愛人に僕が淫乱ゲイとして使われるのを喜んで認めるつもりだと言った時にね。シンディとはもう離婚しているわけだし、その赤ん坊がテッドの子で、僕はシンディの妊娠とは一切関係ないことは簡単に証明できる。だから、僕は子供に対する経済的な責任はまったくないよ。お父さんは、自分で招いた事態だから、それに満足してるんだろう。それに、お父さんも自分の息子を犠牲にしようとしたわけだし、僕はまったく借りはない」

僕はジョイスに目を向け、微笑を見せた。

「ジョイス・・・姉さんにだけは借りがあると感じているよ。あのクズ野郎と離婚した書類を僕に見せて、僕が姉さんにあげる一切に関して、この家の誰にも渡さないと約束してくれるなら、いつでも姉さんと姉さんの子供たちを僕の家に迎え入れるよ」

そう言ってジョイスには僕の住所を教えた。他の者たちは皆、唖然としていた。

「・・・ま、そうしてくれるまでは、姉さんも、ここにいる他の連中と同じ運命だってことだけど」

僕はもう一度、父に顔を向けた。

「お父さん・・・お父さんが預かっている売春婦がここに2人いるけど、その2人を使わせてくれるなら、喜んで、金を払ってやってもいいよ。一晩、貸切で、いくらだろうか? 女2人だけで貸切だよ。他の馬鹿者は家に留まっていること。ヤッてるところを邪魔されたくないからね」

父は答えなかった。母はじっと睨みつけていたようだったが、堪えきれなくなって叫んだ。

「お前、正気で言ってるのかい!」

「ああ、正気だ。どうせ2人は淫売同然の振る舞いをしてきたわけだし、しかも、タダでやってきたわけだろう? あんたたちは金が要る、一方、僕は、おまんこ女とちょっとしたお楽しみが欲しいってこと。ただのビジネスの取引の話じゃないか」

シンディをちらりと見た。両手で顔を覆い、泣いている。母もがっくりとうなだれ、シンディと同じことを始めた。僕は父の顔を見た。

「返事を待っているんだが? この取引、するのかしないのか?」

父は何も言わなかった。僕は落胆した素振りを見せ、ジョイスを抱いてキスをし、玄関へ向かった。

僕が玄関のドアノブを回そうとした、ちょうどその時、父が僕に声をかけた。

「いくら払ってくれるんだ?」

僕は振り向いた。

「まあ、どのくらいの時間かとか、どんなことをしてくれるのかとか、1人なのか2人なのかとか、それにもよるけど?」

父は、母とシンディの2人に顔を向けた。

「私がこんなことを訊かなくてはならなかったのも、お前たちのせいなんだ。もう、私は、お前たちに侮辱されることはやめる。限界に達したよ。もし、また私を侮辱するようなことがあったら、私もテッドと同じく、姿を消すことにする。分かったか!」

父が、このような声の調子でものを言うのを初めて聞いた。母が、驚いたように顔を上げたが、その反応を見ると、母も初めてだったのだろう。母は、そんな父に言い返すほど愚かではなかったようだ。

母はシンディの顔を見た。シンディはただ頷くだけだった。母が僕に言った。

「私たち2人ともで。今から、明日の朝9時まで。私たちがテッドにしてあげたことと同じことをしてあげるわ」

「もっと具体的に言ってくれないと分からないなあ。僕は、テッドがどんなことをしてもらっていたのか、知らないし、もちろん、してもらったことなんかないわけだから」

母は僕を見つめながら言った。

「私たちを殺したり、手足を切り取ったりすること以外なら、どんなことでも」

「そう・・・でも、僕は、その気になれば、今から2丁目に行って、一晩50ドルで売春婦を2人買ってもいいんだけど。いや、もうちょっと金を払ってもいいかも知れない気分になってるんだが」

「もし、街に行く替わりに私たちを連れて行ってくれたら、朝になるまでに、ありとあらゆるセックスの夢を叶えてあげるわ。ちゃんと保障します」

僕は、50ドルで手を打つことにした。実際、2人はもっとお金が必要なのだろうと思ったが。僕は振り向き、玄関を開けた。母は、体を洗い、子供たちを寝かしつけるので、少し待っていてと言った。

母とシンディはアパートの奥へ引っ込んだ。僕はジョイスのところに近づいた。

「ジョイス、僕はまだ姉さんのことを愛しているよ。さっき言ったことは、本気だ。・・・それに、僕が買い取った前の家に戻ってきてもいいよ。前に姉さんが使っていた部屋を使うといい。姉さんの子供たちは、お父さんたちの部屋だった部屋を子供部屋に変えればいいと思う」

ジョイスは僕に抱きつき、泣き出した。僕はにやりと笑いながら父に目をやった。父は、がっくりとうなだれて座っていた。

「お父さん。お父さんにも良いことを提案してあげようと思う。もし、お父さんがお母さんと離婚し、僕がジョイスに求めたのと同じ約束をしてくれるなら、お父さんも、僕が始める仕事を手伝ってくれてもいいし、あるいは、引退して、家の中の雑用をしてくれてもいいだろう。その場合は、僕がお父さんの生活をまかなうよ。あの2人も含めてね。ただし、その場合も、僕は、あの2人に関しては、娼婦として扱う。あの2人には、自分たちの生活は、僕が機嫌良くしているかどうかに掛かっているというのをはっきり理解させるつもりだ。実際、以前も、本当のところは、あの2人の生活は僕の肩に掛かっていたんだが、誰も、そう思ってはいなかったようだし、あまりバカすぎて、それに気づかなかったようだけどね」

父は何も言わなかったが、しばらくたち、小声でつぶやいた。

「本当にあの2人も家に入れてもよいと思っているのだろうか?」

僕は微笑みながら言った。

「あの2人が目を覚まして、きちんと過ちの代償を払ったと僕が認めた場合に限るけどね」

それを聞き、父は顔を上げ、笑顔になった。

「分かった、早速、今夜から始めよう」

父はそう言って立ち上がり、奥の寝室へ歩いていった。奥から、父が、母とシンディを怒鳴りつけ、娼婦呼ばわりしている声が聞こえた。ジョイスが僕に小さな声で囁いた。

「私も何かするわ。今度の水曜日に、私の離婚が確定するの。その後は、キース? 私、あなたの条件に完全に従うと約束するわ」

そう言って僕を抱きしめ、キスをした。

「・・・あの2人にお金をやる気分でないときは、いつでも、私があなたの娼婦役になるから」

そう言った後、ジョイスは高らかに笑い始めた。父が古いぼろぼろのスーツケースを持って出てきたときも、彼女は笑い続けていた。

父は、座って笑い続けるジョイスを見た。

「お前、一体どうしたんだ?」

ジョイスは何か言おうとしたが、また前屈みになって発作的に笑い出してしまうのだった。ようやく、お腹を押さえ、何とかしゃべることができるようになったジョイスは父を見て言った。

「あの日、キースが家を出ていった後にテッドが言ったこと思い出して」

だが、その後の言葉はジョイスの口からは出てこず、ただ父もジョイスも笑い続けるだけだった。僕は2人を見ていたが、しばらく待って、テッドが何と言ったのか訊いた。父が教えてくれた。

「どうして、こんなに可笑しいか、理解するには、あの場にいないと分からないかもしれないけど・・・。お前が出ていった後、テッドは、いまお前がいるところに立っていたんだ。そして、偉そうに胸を張ってこう言ったのさ。・・・

『まあ、俺たちなら、この状況を何とか切り抜けられるさ。あんなウインプ男が勝つなんてあり得んからな。あいつには、もう二度とシンディたちには会わせない。俺も男だ。俺の女たちに、家計を支えるために体を売らせるなんてことは決してさせない。それにだ、この家で一番の男が誰かははっきりしてるし、俺が来てから、ずっと俺が一番だったというのは明らかだからな』

・・・まあ、テッドは結局、誰が一番の男かというのを逃げ出すことで証明したわけだし、お前は、これからテッドの元の女たちとセックスするばかりでなく、お前に体を売ることにもなるわけだがな。しかも、テッドの妻だったジョイスもお前に対して娼婦のような振る舞いをしている。テッドは、お前の妻のシンディにそういう振る舞いをするように求めたわけだが、それとまったく同じように」

ジョイスはようやく笑い涙を拭き、父も玄関へと向かった。僕は父に鍵を手渡した。

「これは前の家の鍵だよ。大半の家具は元どおりにしてあるし、売ってしまった家具も買い戻して、前の家のようにしてある。家具の多くは、家の近くのリサイクル店で売られているのを見つけたんだ」

そう言うと、父は僕を抱きしめ、ありがとうと言い、さらに、小さな声で、「お願いだから、私を辱めないでおくれ」と言った。

「そんなことをすることは考えていないよ。ただ、僕やお父さんにとって、辱めを受けるということがどういうことなのか、後で僕とお父さんで話し合ったほうがよいと思う」

父は頷き、玄関を出ていった。

少し経ち、母が出てきた。明らかに泣いていたようだった。僕は母を見て言った。

「全部、取りやめにしたい?」

「いいえ! 私たちにはお金が必要なの。・・・ところで、ジョイス、お父さんはどこ?」

「知らないわ。ただスーツケースを持って来て、私にキスをして、私の離婚の審問会の場で会おうと言って出ていったわ」

母は僕の顔を見ながら、目にみるみる涙を溜めていた。精一杯、自分で自分を支えようとしているのが分かった。

「・・・そう・・・どうやら、これまで以上にお金が必要になりそうね。・・・・うふふ、それで? キース? あなたは何回くらい私たちに奉仕させようと考えているの?」

僕は苦笑いしながら答えた。 「あんまり良くなくて、1回だけで、もう2度とごめんだとなるかもしれない。そんなことは分からない」

シンディが部屋に入ってくると、ジョイスは立ち上がった。

「シンディ? あなたとお母さんの2人に、ひとつ言っておきたいことがあるわ。今度の水曜日に私の離婚が確定したら、私はキースのところに引っ越すつもり。キースが出した条件に同意したし、無条件で従うつもり。だから、私にその条件を破るように頼んだりしないでね・・・

「・・・それに、お母さん? 私は言ったはずよ。私は、お母さんとテッドの間に起きてることを邪魔しないと。私はテッドを愛していたわけだし、自分ではテッドの性欲を完全に満たし続けることはできないと分かっていたとも言ったわよね。テッドがむしろ見ず知らずの女のところに行って、心配させられるよりも、むしろ相手がお母さんなら、その方がましとも言ったわ・・・

「テッドがシンディとセックスした次の日の朝、私、お母さんとシンディに言ったわよね。あなたたちのキースに対する振る舞いを見て、言ったはず。あなたたち危ない火遊びをしてるわよ、って。何か妙な流れが起きているし、あなたたちも気をつけないと、とんでもないしっぺ返しに合うわよって。あなたたちは、私が状況をすべて読み違えていると答えたわ。キースは所詮、父親と同じ、弱虫のウインプなんだから、言われたことしかしない人間だからって・・・

「その時も、私は警告したわ。まあ、私自身もテッドの性欲には悩まされていたから、多少はお母さんがちょっと楽しんでくれてもよかった。もし、お母さんがテッドとセックスするだけで満足していたなら・・・それに、シンディ? もしあなたがテッドに愛していると言い続けていた、その半分でもキースのことをちゃんと愛し続けていたなら、キースも、あの状態で満足し続けられたはずなのよ。ほんと、あの朝、キースがあなたたち2人に会いに来た朝に、私もその場にいたらと思うわよ。そうしたら、私は、キースに、自分の妻も母親も、自分より他の人を求め、愛しているなんて惨めな気持ちのまま家を出ていかせたりはしなかったと思うわ」

母とシンディはジョイスの顔を見つめていた。母が言った。

「私は、キースよりテッドを愛しているなんて言ったことがないわよ。それにシンディもそんなこと言うのを聞いたことがないわ」

ジョイスが応えた。「ほらね。だからあなたたち2人とも、バカだと言うのよ。何もお母さんがそう言ったなんて言わなかったわよ。こんなことになってしまったすべての理由は、あなたたちがキースにそういう感情を抱かせてしまったということ。あなたたちは、あまりにバカなため、自分でそうしているということすら知らなかったということ。あなたたち2人がどう感じてるくらい分かるわ。2人ともテッドを愛していないのは分かっている。テッドは、セックス相手として気持ちいい大きなペニスを持っているという、それだけなのよね・・・・

「・・・だけど、あなたたちが間違ったのは、やろうと思えば、テッドとセックスを続けながらも、同時にキースに愛情を失っていないことを教えられたのに、そうしなかったということなの。キースはテッドなんかより100倍は賢いわ。キースになら、あなたたちがテッドからもらっているのをすべて分け与えるよう、ちゃんと教えこませることができたはず。そうすれば、あなたたち、キースとテッドの両方から、望むものをしてもらえたのにね。同じことをお父さんにもしてあげたら、もしかして、3人から望むことをしてもらえたかもしれないのに。だけど、あなたたちはダメだった。あなたたちが思ったことは、幸せになるには、大きなチンポさえあれば充分ということ。私ならもっと頭を働かせたわ・・・

「・・・あなたたち、こんなマヌケじゃなかったら、あなたたちがテッドと毎晩セックスしていた間、私はジョンという男と楽しんでいたことに気づいたかもしれないわね。ジョンのことはキースも知っているわ。彼の会社で働いていた人だから。ジョンのペニスも見たことがあるし、彼とはいろんなことをしてきたわ。ペニスの大きさだけが価値を持つなら、確かにジョンはテッドに敵わないのは確か。でもね、テクニックのことを考慮に入れると、ジョンの圧勝よ。ジョンとモーテルでひとときを過ごした後とか、モーテルを出る時なのに、次に会えるときが待ち遠しくてたまらなくなることが何度もあったわ。ああ、私はテッドなんかのものじゃない。私はジョンの可愛い女。ジョンのものなの、ってそういう気持ちになれるの。ま、今はあなたたちも理解できたでしょう。今日、水曜日の時点であなたたちは私から何ももらうことはないし、キースが認めてくれたら、私たちは明日の朝にはキースの邸宅にいて、彼が起きる時に朝食を作ってあげていることでしょう」

僕は姉を抱き、感謝のキスをして、いくらかお金を手渡した。

「もう、そのくらいでいいだろう、ジョイス。このお金で赤ちゃんのための食べ物を買ってあげるといいよ。それから移動にはバスじゃなくてタクシーを使うといい」

玄関へ向かいながら、振り返って母とシンディに呼びかけた。

「娼婦ども、ついて来な。やりたいこと、見てみたいことがいくつかあるんだ」

2人とも、頭をうなだれながら僕のあとについて、車に乗り込んだ。

車の中、シンディと母には、服を脱ぐように命令した。2人には、下着姿のまま、あそこを自分でいじらせながら車を走らせた。家に着くと、二人を僕の寝室に連れて行った。寝室の壁際に肘掛椅子を2脚移動し、そこに座らせた。そして、ストッキングとパンティを脱ぐように命じた。2人が脱いだストッキングを使って、二人とも手足を椅子に縛り付けた。さらに、それぞれが脱いだパンティを口に突っ込み、猿轡にした。2人には特別なイベントを計画していたのである。そのイベントの間、母とシンディにはずっと座ってもらい、起きることを見させたいと思っていた。

自分でも、どうしてこんなことをしたのか、今でも分からない。ただ、それを思いついたとき、心から喜んだことは確かだ。

ある夜、僕が家を出てすぐの頃だったと思う。僕は、繁華街の高級バーに行っていた。そこで、あの、実に美しい女性がやって来て、僕の隣の席に腰を降ろしたのである。僕は彼女を一瞥したものの、すぐに向き直り、これからの自分の人生をどうするか考えようとしていた。それから数分ほど経った後、その女性が僕の肩を叩き、僕に話しかけてきたのだった。

「ねえ、私、若い男に無視されることに慣れていないんだけど」

そう言ってセクシーに微笑んだのだった。

「ああ、済まなかった・・・でも、今、僕は人生が本当にめちゃくちゃになりかかっていて、どうしたらよいか考えてて、それに没頭していたところなんだ。実際、あなたのことは気づいていたんだけど、ともかく自分の人生をどうしたらよいか考えるほうが先だったから・・・」

今から思うに、僕が、どうして次に言った言葉を発したのか、今でも分からない。だが、それを言ったことは正しかったに違いない。

「・・・それに、君のような美人は、僕のような負け組の男に関心を寄せられても意味がないんじゃないのかな。君だったら、性的にちゃんと満足させてもらえるような立派な男性がお似合いだろうと思うんだ」

僕はそう言って、向きを戻し、自分の飲み物を口に含んだ。手が飛んできたところは見てなかったが、顔を殴られたのは確かだった。その女性は僕を平手打ちしたのである。手にしていたグラスが吹っ飛び、バーの中、他の客たちがいっせいに僕たちに顔を向けた。うろたえた状態から立ち直ると、彼女は僕の顔を両手で挟み、こう言ったのである。

「ほら、これでやっと私に注意を向けてくれたわね。さあ、私をダンスフロアに連れて行ってちょうだい。誰が負け組み男か、それを決めるのは私。それに私はセックスのことについては何も言っていなかったんだから、勘違いしないで」

僕は彼女の手をとって、ダンスフロアに連れて行った。そして、ダンスを終えた後、2人でテーブルに戻り、おしゃべりをした。どうしてか分からないが、そのときの僕は誰か話しを聞いてくれる人を必要としていたのだと思う。僕は全てを彼女に話した。起こったことすべて、僕の感じていたこと全てである。自分の性的能力についてどう思っているかに話が来たところで、僕は一種、言葉が出なくなってしまった。言葉に詰まってしまい、何も言えなくなってしまったのである。彼女は、ただ座って僕のことを見ているだけだった。そして、しばらく沈黙の後、彼女は僕の手を取り、バーの外へ連れ出したのである。

このバーは、町でも最高級のホテルの地下にあるバーだった。彼女は僕を連れて階段を登った。1階に上がっても、フロントのところで立ち止まることはせず、直接、エレベーターへと向かっていった。僕たちは5階で降り、彼女は僕に部屋のキーを渡した。そして、その部屋の鍵を開け、一緒に中に入ったのである。

部屋に入るや否や、彼女は僕に抱きついてきた。セックスが始まるまであっという間のことだったし、僕の悩みもすっかり吹き飛んでいた。この夜ほど、何度もオルガスムに達したことはなかったし、いつまでも長くセックスを続けられたこともなかった。僕が思いつく行為のすべてを行った。この女性となら、不可能な行為は何もないように思えた。

明け方近くだった。2人でベッドに横たわりながら話をしていた。

「あなたがどうして性的能力について自信がないって言うのか、理解できないわ。何でも、ちゃんと上手くできたじゃないの?」

「ああ、でも、僕が自分の人生より愛した人は、そういう風に感じてくれなかったんだよ。でも、今夜のようにできたことは一度もなかったし、多分、今後もできないと思う。今夜のようにできたのは、君が僕をリードしてくれたからだよ。君のおかげだ。超高級娼婦でも雇って、本当に女性を喜ばす方法を教えてもらう他ないんじゃないかな。でも、そういう娼婦を僕は知らないし、見つける方法も分からない。第一、見つけたとしても、お金を払うことができないだろうし」

そう言い終ったとたん、彼女は体を反転し、僕の上に覆いかぶさった。

「あら、あなた、今まで。この街でも一番値が高い娼婦の一人と、一晩中セックスしてきたのよ。お金のことについて言えば、もしあなたが本当に女性を喜ばす方法を学びたいと思っているなら、私が喜んであなたの先生になってあげるわ。私がお客さんを取っているときは避けなければならないけど、それだけ。後は、私が指示することが例えどんなに馬鹿げていると思っても、それに従うこと。そこだけはしっかり守ってくれれば良いわ」

というわけで、僕はこの1年間、彼女サンディの指示に従ってきたのである。実際、サンディに教わったことを、2、3人ほど、他の女性に試したが、彼女たちからは賞賛されっぱなしだった。自分が一流の男なのかどうか、自分では分からないが、サンディは僕が飲み込みが早いと褒め続けてくれた。彼女とは、2人の時間が合う時はいつも一緒に過ごしてきた。彼女は、知っていることすべてを僕に教えてくれたし、僕も自分は良い生徒だったと思っている。

今日の午後、僕はサンディに電話をし、計画していることを話し、手伝ってくれるよう頼んだ。電話の向こう、彼女が喜んで跳ね回っているのが目に見えるようだった。

「ええ、もちろん! 世の中で何があっても、これだけは見逃すわけに行かないもの!」

ちょうど母に猿轡を縛りつけ終えたときだった。階下に、人が来た音が聞こえた。

「すぐに戻ってくるよ。そうしたらショーの始まりだ」

階下のキッチンに行くと、そこにはサンディが立っていた。こんなに美しいサンディは見たことがなかった。どこをとっても完璧だった。着ているイブニング・ドレスを見たら、どんな女性も、羨ましがることだろう。僕はサンディに近づき、抱いてキスをした。

「本当に、手伝ってくれる気でいる? 心積もりは大丈夫かな?」

サンディは僕の顔を両手で挟み、返事した。

「もちろんよ。でも、始める前に、2つほど知っていてほしいことがあるの。1つ目は、私はあなたをリードしないということ。これまで覚えたことを、ちゃんと思い出すことね。もし、私を満足させられなかったら、私は、大きな声で、私から離れてって言って、あなたを恥ずかしい目にあわせるつもり。もう一つは、私は演技をしないということ。もし、私が、何か言ったり、叫んだり、絶頂の声を上げたりしたとしたら、それは本当にそう感じたからとみなして。商売柄、本当の自分になって楽しむことはあまりなかった私だけど、今夜は違うわ。今夜の私は、自分の男との愛を楽しむただの女になるつもり。そして、その私の男には、ちゃんと立派にやって欲しいと思っている。彼ならできると私には分かるから」

サンディが話を終えたとき、僕はすっかり不安になっていたに違いない。サンディは、僕を勇気付けるように、キスをして、あなたなら大丈夫と言い、2階へと導いてくれた。

寝室に入った後、僕は母とシンディに言った。

「紹介するよ、こちらはサンディという人だ。サンディ? ここにいるのが僕の元妻と母親。・・・さて、シンディ、お母さん、あなたたち2人とも、僕がここへ連れてきたのは、セックスをするためだと思っていたのじゃないのかな。だが、僕が要求したのは、僕に奉仕しろということだけだ。今夜は、2人には、ただの傍観者になってもらう」

そう言った後、僕は振り向き、サンディの手を取って、一緒にベッドの上に座った。まずはキスから始める。ゆっくりと顔、そして首筋へと、唇で軽く愛撫しながらキスしていく。ゆっくりと下がり、肩まで唇を這わせたとき、歯を使って、ドレスの肩のストラップを解いた。そのまま肩からドレスを剥いていく。完璧といえる美しい乳房が姿を見せた。少し前の僕だったら、すぐに乳房を握り、荒々しく揉み始めていたことだろう。だが、僕はあわてず、ゆっくりと乳房へと降りていった。愛撫とキスを繰り返しながら、じわじわと降りていく。ようやく、乳房にたどり着くと、心をこめて愛撫を始めた。

この時点まで、サンディは何も言わないし、何もしていない。ひょっとして、僕はすべてを台無しにしているのかも知れないと思った。そもそも、こんな計画がダメだったのだと知るべきだったのだし、今もサンディが望むやり方をしていないに違いない。もうちょっとだけ、愛撫を続け、その後、別の方へ移ることにした。

ちょうど、別のところへ移動しようとしたときだった。サンディが、小さな喘ぎ声を漏らし、僕の後頭部を押さえ、引き付けた。僕の顔を自分の体に擦りつけようとしている。

やがて僕はドレスをすべて脱がせ、彼女を全裸にした。体中を愛撫し続けていると、サンディは次第に興奮を高め、激しく体を動かすようになっていったし、声も高くなっていった。彼女のあそこに指を入れ、ゆっくりと中をさすり続けていると、サンディはまさにロケットのようになった。ゆっくりとではあるが、どんどん火力が強くなっていく。ペニスをゆっくりと挿入した頃には、彼女はいつ打ち上がってもおかしくない状態になっていた。体を揺らしあい、出し入れを始めると、サンディは僕の背中に爪を立て、もっと強くやってと叫んでいた。やがて、彼女は背中を反らし、できる限りの力で股間を僕に押し付けるようになった。僕も、もう長くは持たないと感じたとき、彼女はオルガスムに突入し、こう言ったのだった。

「ああ、あなたが最高の男よ!」

どうやら、ウインプ男の僕ではあるが、うまい具合に事態が進んでいくようだ。

追記:

テッドは、ロスアンジェルスでとうとう当然の報いにあったらしい。ある、既婚の女性とセックスしている現場をその女性の夫に押さえられたのだ。夫は海兵隊の仲間数人を連れてきていた。皆、酒を飲んでいたらしい。テッドは力ずくでその場から逃れようとしたが、かなうわけがなく、男たちに打ちのめされ、さらには去勢されてしまったらしい。ポケットナイフで睾丸を切り取られるというのは、死ぬほど痛かったことだろう。ともかく笑えるのは、救急車を待っているとき、どこからか野良犬が現れて、地面に転がっていたテッドの睾丸を食べてしまったという話だ。ま、世の中にはユーモアのセンスがある人がいるものだ、ということだけのことかもしれないが。


おわり
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