「キムの帰郷」 (4/9、5/9)   by Lingus     



 

僕は、キムがパーティのための服を着るのを、多いに喜んで、興味を持って見ていた。

非常にセクシーな黒のキャミソール。

それにマッチしたビキニ・パンティとストッキング。

黒ブラウスと黒スカートの下にそれを着る。

「どうしてガーターベルトを着けないんだい?」

実は、僕は大のガーターベルトファンなのであった。
 
 
 
 
 
 
 

「こんなにタイトなスカートにはガーターベルトはつけられないわよ。

ガーターの盛り上がりが外から見えちゃうもの。

それじゃあ、格好悪いわ。

明日ね。

明日の遠出とランチに行く時にガーターベルトを着けることにするからいいでしょ?」
 
 
 
 
 

「そりゃあ、楽しみだ」

僕は普通はキムが服を着る様子も、服を脱ぐ様子も見るわけじゃない。

だから、そのひと時を実はこの上なく楽しんでた。

僕のセクシーな妻がセクシーな下着を身に着けるところをだ。

「いいことを教えてあげようか。

そのスーツの下の姿がどれだけセクシーか。

男たちがそいつを見られないなんて、ホント残念だなって思っているよ」

僕はキムが薄地の黒ブラウスを着るところを見ながらそう言った。
 
 
 
 
 
 
 

「あら、ホントね。

でも、まるで、あなた、他の男に見せたがっているような口調じゃない?

それに、まるで、他の男たちも見たがっているようにも聞こえるわ」
 
 
 
 
 

「いや、絶対、見たがるに決まっているよ」

反論するように言った。

「絶対、賭けてもいいよ。

今夜は、男たちは、君のそういった姿を見るために、どんな大事なものも犠牲を惜しまないと思うよ」
 
 
 
 
 

「まあ、それは、なかなかお楽しみね。

でも、その人たちには、その大事なものはしまって置いて欲しいわね。

ストッキングはよじれてないかしら?」

キムが履こうとしている黒のストッキングは、シームつきのものだった。

僕はストッキングを整えるのを手伝って上げた。

そして、ついでに、彼女の大事な部分もちょっと2、3回触ったのであった。
 
 
 
 
 
 
 

「なんか、今夜、私たちはしゃいでいる感じね」

笑いながらキムが言った。
 
 
 
 
 
 
 

僕は、普通はどんな場合でも遅刻していくのは好きじゃない。

だが、今夜は違った。

僕らが着くころには、カクテルパーティーの会場にはもうすでにたくさん他の人が集まっているといいなあと思っていた。

そうすれば、部屋の全ての人の頭が一斉にキムが入ってくる方向を向くのを見ることができると思ったからだ。

男たちは、嫉妬心と好色心の両方を抱きながら僕と僕のセクシーな妻が部屋を歩くのを見つめることだろう。
 
 
 
 
 
 
 

それは僕が想像したことだったが、実際にも起きたことでもあった。

僕らが着いたころには、部屋には50人以上いたと思う。

キムと二人で入ったとき、みんなの視線がこちらに向くのを感じた。

部屋を横切ってバーに着くころには、50組の瞳が僕たちに向けられているのを感じた。

キムも視線を感じて、自意識過剰気味になっていた。

「私、何か着忘れた服があるのかしら?

どうしてこんなにじろじろ見られるの?」
 
 
 
 
 

「みんな、君を見てるんだよ。

僕のセクシーな奥さんをね。

何故君を見ているかというと、この部屋で一番目を引く存在だからさ。

ごく普通の見栄えの奥さんたちとここにきた男たちに、本当にすまなく思うよ」
 
 
 
 
 

「まあ、よしてよ」

ちょっと肘でつつきながら彼女は言った。

僕は自分たちの飲み物を手に入れるとすぐに、僕らは、彼女のクラスメートに取り囲まれるてしまった。

「キム、君に会えて嬉しいよ」

「キム、素敵だね」

「キム、見違えるようだよ」などなど。

僕は、突然、自分がみんなの邪魔になっているように感じた。

キムと一緒に学校に通った男女が、彼女の気を引くために一斉に話しかけていたからだ。

僕は人々の間に隙間を見つけ、そこから忍び出てきた。

部屋の隅の方に3、4人の男のグループがいて、立ち話をしていた。

僕はそこの仲間になることにした。
 
 
 
 
 
 
 

「やあ」

その中の一人が手をさしのべながら話しかけてきた。

「僕はジャック・マーチィンス。

君も僕らと同じで、クラス会のメンバーの旦那さんなのかな?」
 
 
 
 
 

「ええ、そうだよ」

彼と握手をしながら答えた。

「僕はデニス・ドレーク」

そのグループの他の男たちも自己紹介をした。
 
 
 
 
 
 
 

「君の奥さんは、あの赤のジャケットの人?」

ジャックが、キムを取り囲んでいる人の群を見ながら訊いてきた。
 
 
 
 
 
 
 

「ああ、その通り」

自慢げに答えた。
 
 
 
 
 
 
 

「奥さん、きれいな人だね」

妻を遠目に見ながら話を続けている。

それから、だめだ、だめだという風に頭を振りながら、僕たちのグループに視線を戻してきたのが見えた。
 
 
 
 
 
 
 

僕は、その男たちと、それから45分ほど、雑談をしながら過ごした。

どこから来たかとか、仕事は何かとか、趣味とか、子供のこととか。

それになりに楽しく、退屈はしなかった。

でも、僕の本当の関心は、部屋のいろんな人々と会話をしている妻の姿を見ることだった。

最初のころは、彼女の話し相手はたいてい女性だった。

だが、しばらくすると、何人かの男たちとも雑談をしている姿を見かけた。

そのうちの誰が「トミー」で「ボビー」なのか?

あのアルバムを見ながらキムが話していた男たちだ。

でも僕には全然分からなかった。
 
 
 
 
 
 

「あっちにいる、すごい美人さんは誰なんだい?」

新しく僕たちのグループに来た男がキムを指しながら言った。
 
 
 
 
 
 

「ああ、あの人はデニスの奥さん。本当に可愛い人だよな」

他の人が答えていた。
 
 
 
 
 
 
 

他の男たちが自分の妻のことについて話をしている。

それを聞いて顔を上げているのが難しいと感じていた。

多分、このグループにいる者たちが皆、始めて会った者同士で、よその町から来た者だったからかも知れない。

だが、これほどあからさまに妻についての話を聞かされる状況になったことは、それまでなかった。

だが、嬉しい気持ちだった。

丸で、彼女の夫である僕がその場にいるの知らないかのように、連中は話し続けている。
 
 
 
 
 
 

カクテルパーティーはようやくお開きになり、僕たちはディナーのためにホテルの宴会場に呼ばれた。

僕もやっとキムを見つけた。

別の男性のクラスメートと話し中だったが、すこし強引に引き離して宴会場に向かった。

指定されたテーブルを見つけ、席に着いた。
 
 
 
 
 
 
 

「あなた、どうだった?

あんな風にあなたのことをほったらかしにしてて、ごめんなさい。

昔の友達に会ったから、少し度を超してしまったと思うの」
 
 
 
 
 

「いや、気にすることはないんだよ」

安心させるように言った。

「今週末は全部君のものだ。

友達と仲良くすること。

好きなことは何でもしていいよ。

僕は気にしないから」
 
 
 
 
 

「とっても理解があるのね。

ありがとう。

好きなことは何でもしていいの?

ふーん。

それって面白そう。

でも、真面目な話、ここに来てよかったわ。

思っていたような、ひどいことにならなかったもの」
 
 
 
 
 

「君の場合は大丈夫って分かっていたよ。

みんな君を見たときうっとりしていたよ。

僕が話をしていた旦那さんたちすら、あの赤ジャケットのカワイコちゃんは誰だって知りたがっていたもの」
 
 
 
 
 

「デニス、お願いだから、からかわないで。

私、まだ、前と変わらずドキドキしているんだから」
 
 
 
 
 

「キム、冗談じゃないよ。

本当だよ。

部屋に入ってきた男は、ほとんどみんな、君が誰か聞きたがっていたよ。

で、他の人がそいつらに『ああ、あの人はデニスの奥さんさ』って言うのを聞きながら胸を張るわけさ。

本当だよ。

君は、この場のスター的存在だよ・・・

僕が思っていた通りだ。

ところで、もう、君の昔のボーイフレンドはどちらか姿を現したのかな?」
 
 
 
 
 

「誰のこと?

ボビーのこと?

ええ、彼もここに来ているわ。

しばらく雑談したわよ。

でもね、ものすごく変わっちゃったわ、彼。

もう、誰だか分からないほどなの。

もう一人の方は、誰のことを言っているの?」
 
 
 
 
 

「トミーだよ。

いつも君としたがってちょっかいを出していたって言っていた人」
 
 
 
 
 

「ああ、ええ。

彼も来ているわ。

まだ、今も、ちょっかい出してきたわよ」

微笑みながら、顔を赤らめていた。

「ホント、あの人何を考えているのか分からないわ。

私が他の女の旧友二人と話していたのに、そこにズケズケ割り込んできたの。

助けを求めて、その二人の女の友達の方を向いたのね。

そうしたら、こう言うのよ。

『彼女たちに訊いてごらんよ、キム。

俺って、すごく上手なので、断りきれない男なんだぜ。

あの二人なら知っているよ』ってね。

確かに、その二人とも否定はしなかったわ。

それに、高校の時よりも今の方が、ずっと格好いいと点も認めるわ。

彼も、その二人の女の子たちも、まだ、ここのあたりに住んでいるの。

だから、あの二人の女の子たちは、最近になって彼に征服された人たちなんだと思うわ。

あの子たちのどっちも、高校の時は彼を近づけなかったと思うもの」
 
 
 
 
 

「なんてこった。

それじゃあ、昔の高校時代と同じことをしてるんじゃないか」
 
 
 
 
 

「ええ、残念ながら、ある意味ではそうよね。

ところで、あなたは誰と話をしていたの?」
 
 
 
 
 

僕は覚えている限りの名前を列挙した。
 
 
 
 
 
 
 

「あなた、ジャック・マーティンズと話してたの?」

がっかりしながら言っている。

「どうしてそんなことしたの?」
 
 
 
 
 

「彼は僕が混ざったグループにいたんだよ。

どうして?

なんかまずいのか?

実にいいヤツのように見えたけど」
 
 
 
 
 

「彼は、ベティー・ホプキンズの夫なのよ。

彼女のこと覚えている?

いつもクイーンのようにしていた子。

お高く止まった子」
 
 
 
 
 

「ああ、覚えているよ。

そういえば、そのベティーって人には会わなかったなあ。

旦那さんと話しただけだ。

それに、さっきも言ったけど、そのご主人はいい人だったよ。

君は本当にきれいだってまで言っていたし」
 
 
 
 
 

「あら、本当?

じゃあ、逆転状態になったのかしら。

ベティーは、最後の方になってようやく現れたのよ。

『ハイ!』ってだけね。

でも彼女が何故そんなことしたか私には分かるわ。

私がみんなの注目を浴びているようだったし、誰も彼女に話しかけなかったからなのよ。

だから、話しかけてきたんだと思う。

まあ、とにかく、彼女、また意地悪なこと言ってたわ。

学校時代に私からボーイフレンドを奪った話とかね。

彼女が誰のことを言っているのか、何のことを言っているのか、全然分からないわ。

でも、彼女、詳しく説明するとか、質問に答えるとかしないで、すぐ別のところに行っちゃうの。

それにしても、本当に変わっちゃった女の子たちがいるものよ・・・

外見の点でだけど」
 
 
 
 
 

「ああ、本当だ。

それも、悪い方に変わってしまうと思うんだが」

推測するように言った。
 
 
 
 
 
 
 

「そうなの。

彼女見てみて。

向こうの3番目のテーブルの、向こう側に座っている人。

彼女の左側に、あの女の人の旦那様のジャックがいるわ」
 
 
 
 
 

キムが指していた女性を見つけた。

確かに、その通り、変わってしまったと言える。

ベティーにとって、人生はあまりにも良すぎたのだろう。

体重20キロ分ほど幸せすぎたのだ。

見ていると、たばこをプカプカ吸い、噎せたように咳をしていた。

彼女はもはや、見るに耐えない存在になっていた。
 
 
 
 
 
 
 

僕らのテーブルに同席する他の人々もやってきた。

そして、みんなで自己紹介をした。

キムは同席した誰も学校時代から知らない人たちだった。

そのため、ディナーの大半は、互いの共通した友人や知り合いの話に集中していた。

僕は、「ご報告の時間」になっていたので、内心安心していた。

これをしているということは、ダンスタイムが近いと言うことだ。

高位の人たちの紹介があり、海外から参加したクラスメート2名が、長旅をねぎらわれていた。

病気になっているクラスメートの報告があった時には少し沈黙があり、クラス代表からの短いスピーチがあった。

そして、とうとう、同窓会の進行役の女性がアナウンスした。

これからDJが曲のリクエストを受け付けるとのこと。

DJは、真夜中まで、働くつもりだとも。