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これまでのあらすじ
イサベラはレオン・ドゥ・アンジェに拉致され、強引に処女を奪われ、繰り返し身体を奪われる。レオンは父を殺したイサベラの父への復讐として、彼女に自分の子を孕ませるため拉致したのだが、やがて二人の間に愛が芽生え、イサベラは妊娠する。ある日、二人は何者かに襲われ、イサベラは父の城へと連れ戻される。そこにはレオンに追放されたマリイもいた。父はイサベラへの下心を隠さない。またマリイは嫉妬と恨みからイサベラに鞭を振るう。そんな時、レオンがイサベラのところに忍び込み、二人は愛し合う。そこへイサベラの父が現れイサベラを襲おうとするが、レオンと揉み合いとなり、イサベラはレオンを救うために父を殺す。レオンとイサベラはレオンの居城に戻った。レオンはイサベラが妊娠していたことを知っていたが、イサベラがマリイに鞭打ちされていたことを初めて知り驚くのだった。
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天使たちの姿が巧妙に彫られている金製の重々しいドア。レオンは、そのドアを開け、大股の足取りで中に入った。ドアの先には、小さな礼拝堂がある。
祭壇の前には、イサベラが音もたてずひざまずいていた。紫色のガウンの裾が床に扇状に広がっている。高い位置になるステンドグラスの窓から柔らかな日光が差し込み、イサベラの姿を温かく包み、その光に照らされた背中に揺れる緋色の髪の毛は、赤味を帯びた金色の波立つ川の流れのように見せていた。その姿をレオンは離れたところから窺っていた。
イサベラは、毎朝ここに来て祈り続けていた。そしてレオンは、毎朝、どうしても彼女の後をつけてここに来てしまうのだった。何かしら嫉妬心を感じてしまうのがレオン自身、不思議な感覚だった。
レオンはイサベラが信仰心が篤いことは知っていた。彼女は修道院で育てられ、レオンの手下たちに拉致される前は修道女になるつもりでいたのだ。それは分かっていても、レオンは、イサベラの自分に対する信仰心の方が…もっとよい言葉があればいいのだが…自分への心の方が神に対する心よりも強くあって欲しいと思っていた。
「イサベラ? 考え直してくれただろうか…俺の妻になると決心してくれただろうか?」 柱に寄りかかり、両腕を胸の前で組みながらレオンは尋ねた。
声をかけられた瞬間、背中を見せているイサベラの肩先が緊張するのをレオンは見た。そして、彼女が肩越しに振り返り、まつ毛を伏せるのも。
「私がその気はないことは、ご存じのはず…」 イサベラは落ち着いた声で答えた。
レオンは後ろを向き、イサベラが心安らかに祈りを続けられるよう、静かに礼拝堂から立ち去った。
礼拝堂から出ながらレオンは思った。イサベラは間もなく屈服するのは分かっている。彼女は自分でも気づいていないが、あれほど官能性にあふれた女なのだ。ここのところ俺はずっと彼女を愛することを差し控え続けている。イサベラはやがてそれに耐えきれなくなるだろう。そして屈服して俺の求めに応じることになるはずだ。
~*~
イサベラはベッドの中、仰向けで横たわっていた。脚を交差させて眠っている。苦しそうな呼吸に胸が上下に動いていた。それに合わせて、シュミーズの柔らかなモスリンの生地が、彼女のバラ色の乳首を擦り続けた。
「いや… やめて…」 小さな声で寝言を言っている。
「…イサベラ…」
そんなイサベラを見つめながらレオンは呟いた。彼女の顔に手を伸ばし、軽く開いた唇にかかるほつれ毛を優しく払いのかした。うなされているとは言え、いまは眠っているため、イサベラは普段レオンに見せているような険しい表情はない。彼は彼女の愛らしい顔を見ながら、心が疼くのを感じた。
「大丈夫…夢なんだよ… ここなら誰もお前を傷つけることはできない…」
「マリイ…」
突然、イサベラは叫んだ。声には恐怖の色がこもっていた。レオンは、即座に目を閉じ、じっと耐えた。
…夢の中でマリイはイサベラにひどい仕打ちをしているのだろう。怒りに胸が張り裂けんばかりになる。だが、その怒りをじっと心に閉じ込めるのだ。
レオンは大きな手でイサベラの小さな手を覆った。彼女の手は、何かに抵抗するように、シュミーズをかたくなに握りしめている。その手の指を癒すように、優しく撫で和らげ、握りを解かせた。
手を開かせた後、その手のひらに優しく唇を寄せた。するとイサベラは何か寝言で呟いた。だが何を言ったのかは聞き取れない。
イサベラは眠りながらも恐怖を和らげたのか、小さな寝息を立て、寝がえりを打った。それと同時に、シュミーズがめくれ上がり、滑らかな太ももが露わになった。月明かりの中、かすかに広がった太ももの間に柔らかな縮れ毛が見える。レオンは、その焦らすような悩ましい姿を目にし、唸り声を上げそうになった。
レオンは、彼女の手の輪郭を描くように舌先を這わせながら、改めてイサベラの姿を堪能した。めくれ上がったシュミーズに包まれた、かすかに膨れた腹部。それを見て、所有欲が満たされた誇りが身体の中に湧いてくるのを感じた。
この薄地のシュミーズはレオンがイサベラのために作らせたものだった。隠している部分より、露わにしている部分の方が多い。そして、それゆえ、レオンにとってじりじりした気持ちになる原因にもなっていた。
このシュミーズをイサベラの身体から優しく脱がせた初めての時、彼女は目が覚め、レオンの腕に包まれ、彼に見つめられているのを知ると、甘美なうめき声を上げ、顔をしかめたのだった。レオンは、それは自分に抱かれているのを知って羞恥をかんじたことによるのもあるだろうが、それよりも彼女の背中についている傷のせいであろうと察知した。
イサベラは、いまだに自分からレオンのベッドにくることは拒んでいた。そして毎晩、レオンは、眠りに入ったイサベラを彼女の小部屋から運び出し、自分のベッドに寝かせているのだった。このような状態は、レオンが1週間前にイサベラと共に居城に戻って以来、二人の間での静かな戦争のようなものになっていた。この戦いには絶対に勝つつもりだとレオンは心に誓っていた。
しかし、イサベラが眠りつつも苦痛を感じていることに、レオンは心を痛めていた。イサベラの背中の傷はやがては消えるだろう。だが、彼女の心についた傷は消えないのではないか。レオンの恐れていたことは、それだった。
マリイめ、何てことをしたんだ…
レオンは燃える目をして、横たわるイサベラの身体を見下ろした。クリーム色の肌にまといつく柔らかな、ほぼ透明と言ってよい布地。それに覆われたイサベラの姿を見るにつけ、レオンは血液が脚の間に集まってくるのを感じるのだった。
すでに、彼の手も彼の口も、イサベラの甘美な肉体のあらゆる盛り上がりと窪みを探っていたし、それによってイサベラは身体を震わせ、満たして欲しいと叫び声をあげたはず。彼女の愛らしく無垢な身体と心は、レオンを惹きつけたし、レオンを悩ませてもきた。彼自身も、この無垢なイサベラが自分の前で慎ましやかな素振りせず、遠慮をかなぐり捨てて快楽に溺れるようになるまで、決して愛情を注ぎ込むことはやめないと思っていた。いつの日かきっと最後には、イサベラはあらゆる垣根を取り払い、自分の居場所はレオンのベッドの中、彼の腕の中なのだと悟る時が来るだろう。
レオンは舌先で軽く彼女の指をなぞった。いつかきっとこの指輪に自分の家紋印がついた指輪を嵌めさせてみせる。そう思いながら、寝言を呟く彼女の唇を見つめるのだった。
イサベラは、レオンは、自分に子を身ごもらせるという、ただそれだけのために、良心の呵責すら感じずに自分と結婚しようとしていると言い、彼を拒み続けていた。レオンの見たところ、このイサベラの反応は結局のところ信頼関係の1点に絞られると考えていた。イサベラは自分のことを信頼していないのだ、と。そして彼は、そんなイサベラを責めることはできなかった。事実、彼はイサベラを彼女の父親から守ることができなかったのだし、邪悪なマリイからも守ることができなかったのだから。
レオンは、自分の力が及ぶことならあらゆることをして、イサベラに、自分を信頼しても良いのだと証明しようと心に誓った。必ず、イサベラと私たちの子を守ってみせる。すでに手下たちを集めて、国じゅうマリイを探索させている。そして、イサベラが自分の妻になったらすぐに、自分自身、その探索隊に加わることにしよう。
レオンはベッドに腰を降ろし、イサベラの太ももの内側に優しく手を這わせ、さらに脚を広げさせた。鼻から息を吸い、彼女の女の香りを吸い込む。そして、彼はイサベラにゆっくりと身体を沈め、彼女の中を満たす時に彼の分身を締め付けてくる、あの感触を想像し、さらに硬直を増すのだった。
レオンは小さな唸り声を上げた。イサベラが自分との結婚に同意するまで、決して愛し合う喜びを彼女に与えないと自分で決めたものの、そのことは、むしろレオンから意思の力を奪うことにしかならなかった。この広がった脚の間に位置取り、迎え待つ熱い肉筒に深々と身体を沈めたい。それ以外なにもいらないと思うレオンだった。
レオンは、うめき声をくぐもらせながら、イサベラのシュミーズをさらに捲り上げ、細くくびれた腰を露わにした。その腰は、彼女の子宮で成長を続けている子の影響をまだ受けていない。さらに、腰の上、小ぶりの乳房を露わにした。その頂きには、ピンク色に染まる冠があり、その柔らかそうな突起が嬉しい。
この甘美な突起を、飢えで死にかかった男のように、口に咥え、吸い、甘噛みしたらと思い、レオンはさらに勃起が固さを増すのを感じた。衝動に逆らえなくなり、無意識に彼は舌を伸ばし、ピンク色の頂きをねぶった。喜ばしいほどに固くしこるまでねぶり続ける。だが、イサベラが小さな声で甘泣きし、無防備に寝がえりをうち、脚をさらに広げるのを感じ、レオンは身を強張らせて愛撫を止めた。
彼は、次に、片手を太ももの間に滑り込ませ、官能的なピンク色の唇を優しく広げた。指先で軽く擦って刺激を送り、焦らす。イサベラは眠り続けながらも甘泣きし、腰をくねらせた。
そのまま脚の間を優しくいじり続けているうちに、そこがますます湿り気を帯びてくるのにレオンは気づいた。指をさらに奥に忍ばせ、中を探り、擦りたてると、本能的に腰を浮き上がらせ、愛撫を求めてくる。
指を出し入れし始めた。抜きにかかるたびに指を覆う湿り気が増してくる。イサベラの身体のこの反応の良さは極上と言えた。熱のこもった抜き差しを徐々に早め、身体の求める刺激に応えていく。レオンは注意深く、もう一本、指を加えた。
レオンは、イサベラがいつ目を覚ましたか、その瞬間を察知した。その瞬間、イサベラは、蜜壺の中を執拗にいじる彼の指に反応し、わずかに身体をこわばらせ、甘い吐息を漏らしたからだ。
「ああっ、レオン…」 荒い息づかいでイサベラは喘いだ。
レオンに指を付け根まで入れられ、それを受けて腰をせり上げながら、イサベラは眠りから覚めたばかりの緑の目を大きく見開いた。
彼女は甘美な快感に必死で堪えるかのように、マットレスに両手の爪を立てた。レオンは指をさらにもう一本差し込み、彼女の中を広げ、同時に親指でピンク色の小さな突起を擦った。
「ああん!」
「俺を受け入れる心づもりができたか? 俺の分身がお前の中に深く突き進むのを思い、中が溶けだしているのではないか?」
「ああ、そうです…」
イサベラは呟きながら、曇った瞳で、彼女の小さく膨らんだ腹部に唇を這わせるレオンの瞳を見つめた。
レオンは態勢を変え、イサベラの太ももの間に移動し、そこにひざまずいた。身ごもった彼女の腹部にキスの雨を降らせながら、イサベラの両足を肩に担ぎ、そして両手で彼女の尻頬をつかんで持ち上げ、口を寄せた。
「…レオン」 すでに溶けかかっている心に熱い吐息を吹きかけられ、イサベラはためらいがちに叫んだ。
「お前を味わいたい…」
レオンはかすれた声で呟いた。イサベラの陰部が放つ陶然とさせるような香りを吸いこみながら、彼は舌を突き出し、甘汁を啜り、つゆを湛えて光り輝く肉襞を舌でねぶりまわした。やがてイサベラは彼にしっかり押さえこまれたまま、どうしようもなく、ただ身を捩るほかなくなるまで、それは続けられた。
レオンは、なによりも、イサベラの中に身を沈めることを求めていた。繰り返し、繰り返し彼女の中を貫きたい。そして、あの極上の肉筒に包まれ、きつくミルクを絞られ、やがては彼女の中に爆発的に放ちたい。だが、そう願いつつも、彼には糸一本ほど、まだ酔いきれてないところが残っていた。
「あの言葉を言ってくれ、イサベラ…」 レオンは、とろとろに溶けたピンク色の身体にかすれた息を吹きかけた。
「れ、レオン、お願い…」 イサベラは頭を左右に振りながら、喘いだ。両手の指をレオンの金色の髪に差し込み、彼の顔をつかんで自分に近づけようとする。
「言うんだ… 俺との結婚に同意すると言うんだ。そうすれば俺もお前も、この拷問に耐えなくても良くなる」
「い、言えません…」 イサベラは苦しそうに囁いた。彼の指は彼女のあの部分を左右に広げたままでいる。彼女は身体をくねらせ、顔は熱っぽく赤く染まりめ、唇はわなわなとふるえていた。瞳は、求め探るレオンの目を見上げていた。
レオンはそんなイサベラをにらみ続けた。緊張に溢れた時間が長々とすぎた。レオンは抱えていたイサベラの下半身をマットレスに降ろし、手を離した。
「ならば、勝手にすればいい」
レオンはそう呟き捨て、ローブを拾い上げ、彼女の小部屋から大股で出て行った。そうすることで、できるだけ二人の間に距離を置こうとしているのが分かる歩き方だった。だが、すぐにレオンにも分かることがある。
それは、囚われているのは自分の方だということ。
~*~
イサベラは目を覚まし、横の冷たいシーツに手を這わせた。誰もいないことに気づく。悲しい気持ちが彼女を襲った。…私の決意をレオンが受け入れてくれさえしたら…
彼は私を愛していると言った。彼が心からその言葉を言ったことは知っている。だが、彼が私を愛していると思いこんでるのは、ひとえに私に対する罪悪感から。罪悪感のせいで、レオンは私に対する本当の気持ちが分からなくなっているのだ。
レオンは私を修道院から誘拐し、強引に私の処女を奪い、子種を私のお腹に仕込んだ。父に対する復讐のために私を人質として使う計画だった。だが、そのことが引け目になって、なおさらレオンは、私を妻にし、お腹の子供に自分の名を継がせなければならないと決意を固くしている。父が死んだ今となってはいっそう頑なになっている。
レオンは、結婚を求めていても、本当に私のことを愛しているわけではない。私はそんな男性と契りを結ぶのはイヤ。もしレオンが他の女性と恋に落ちたら、私は破滅してしまうだろう。それに、私自身が、その女性からレオンを遠ざける理由となるのもイヤ。
私の身体が欲しいなら、いつでも喜んで私の身体を使って欲しいし、私の愛が欲しいなら、いつでも愛を注いであげる。でも、今のレオンがしてるような残酷なゲームには耐えられない。私が屈服し、結婚せよという彼の要求を飲むまで、愛し合うのを避けるなんて… 私の身体が言うことを聞かなくなってきている…
イサベラは、私をもっと強くしてくださいと祈るのであった。
イサベラは午前中、クックという付き人の女性と過ごしていた。クックは小柄な女性であったが、その棘のある言葉使いと、青い瞳が発する鋭い視線で、城の最強の衛兵たちですら震えあがる存在だった。
クックは、イサベラが城に来た次の日に、イサベラの付き人をしたいと求めたのだった。イサベラは、この城の女主人として、城の主であるレオンとその部下たちが必要とするさまざまな物事をきちんと覚えるのが義務であると主張し、付き人であると同時に教育係になることを要求したのである。
イサベラは、それを聞いた時、あまりに驚き、抗議の言葉を呟くことすらできなかった。そして、気がついたときには、さまざまな料理のレシピと、貯蔵所に蓄えられているスパイス、野菜、乾燥肉の膨大なリストに取り囲まれ、最初、その週の食事のメニューを計画する時にはクックの助言に大いに頼らなければならなかったのだった。
午前半ば、執事がイサベラの元に来て、召使いたちが冬の期間中に身につける衣服の布地について指示を仰いだ。イサベラは、クックが頷いて承認するのを見てから、躊躇いがちに数反のウールの布地と、縁飾り、リボン、革布などを注文した。イサベラは、このような贅沢をレオンが許してくれるよう祈った。特に、彼女が召使いたちの下着として柔らかなリネンの布地でなければいけないと強く主張した時、クックと執事が驚いたのを見て、そう祈った。そして、すべての布地をレオンがいつもお揃いで身につけている色である金色と黒にそろえて注文することで、彼の気持ちを懐柔できたらいいと願った。
午後も半ばになってようやく彼女は自分の時間を得ることができた。階段を降り、そこで息が切れるのを感じ、立ち止まった。イサベラは、最近、自分が疲れやすくなっていることに気づいていた。確かに、眠りに着くときは、レオンは彼女を守るように暖かく両腕に包み抱いてくれている。だが、それにもかかわらず、しばしば、悪い夢を見ており、目が覚めてもどこか憔悴し、心が落ち着かない気持ちだったからである。イサベラは、そのことをできるだけレオンに隠し続けていた。彼を心配させたくなかったからである。だが、レオンは、イサベラが自分の方を見ていないと思っている時など、心配そうな視線で彼女を見ていた。そのレオンの様子を知ってるイサベラは、彼を心配させないようにしようという試みがうまくいっていないことを悟るのだった。
イサベラは、物思いにふけっていたところ、突然、逞しい腕が二本、背後からするりと回ってきて、抱きすくめられ、小さな悲鳴を上げた。背中にレオンの逞しい体とその温かみを感じる。彼は、わずかに膨らみ始めた彼女の腹部を、我が物のように両手の手のひらを広げ、優しく押さえた。
首筋からうなじにかけて、蝶が羽根をはためかせて飛ぶようにキスをされ、イサベラはゾクゾクと官能の震えが走るのを感じた。
「俺は、お前が無理をしているのではないかと心配している。お前を休ませるために、俺に無理やりお前をベッドに縛りつけるようなことをさせないでくれ」
イサベラはレオンの言葉を聞いて体を震わせた。心の中に、全裸のまま彼に縛りつけられ、なされるがままに焦らされ、愛撫される自分の姿が浮かんだからだった。
その様子を見てレオンは、彼女の耳元で小さくくすくすと笑い、イサベラは顔を赤らめた。
「ああ、イサベラ。俺はまったく間違ったやり方ですべてを進めてきたのかもしれない」とレオンは呟き、彼女の耳たぶを優しく噛んだ。
「ど、どういうこと?」
イサベラは戸惑い、美しい長いまつげの目を瞬かせ、そして伏せ目になった。レオンが両手を這わせ、彼女の小ぶりの乳房を包んだからだった。いま、彼女の乳房は金色の薄布一枚に覆われているだけで、何も防備するものはなかった。レオンがお腹の子供に害があるかもしれないと、彼女の鯨骨コルセット(参考)を捨て去ってしまい、彼女は否応なく胸を無防備なままにさせられていたのだった。
レオンは、イサベラの両腕を脇にまっすぐに固定し、彼女のガウンの肩に手をかけ、手繰り降ろし始めた。そうやって愛らしく盛り上がるクリーム色の乳房を露わにし、じっくりと見ようとした。イサベラはそれを感じ、弱々しい声で抗議した。
「誰かに見られるかもしれません!」
「見られても、そのまま見せればいいのさ」 とレオンは固く盛り上がった興奮の証しを彼女の尻に擦りつけた。「城の者たちにとって、城主が女主人に対してどんな感情を持っているかは、恥ずべき秘密でも何でもないのだから」
「レ、レオン…」
イサベラはか弱い泣き声をあげた。レオンの指が、じれったく円を描きながら、彼女の喉もとから固くなった乳首を頂きにもつ乳房へとじりじり這うのを感じていた。首の付け根の露わになっている美しい白肌に唇を当てながら、優しく乳房をこねまわす。イサベラは膝から力が抜けていくのを感じた。
レオンにバラ色の突起をつままれ、指先で転がされたイサベラは、その刺激が太ももの間へと移動し、そこに炎が燃え立つのを感じた。思わず身体を彼に預け、身を捩じらる。首筋をたどる彼の唇は優しく肌を吸い続け、それに応えるように、震える太ももの間がじゅんっ、じゅんっと脈動する。
「濡れているんだね?」 とレオンは、片手を彼女の腹部からさらに脚の間へと滑り降ろし、呟いた。敏感な部分に触れられ、イサベラは、か弱く泣き声をあげた。
レオンの指は、ガウンの柔らかな生地の上から彼女のそこを優しく揉みほぐし、布地ごと肉襞の中に押し入ってくる。その布地は彼女が分泌する熱いしずくで湿り始めた。
イサベラはレオンの手にかかり、みるみる身体が溶かされていくのを感じた。無意識的に脚を開き、抵抗を失くしていく。指の動きに合わせて、やはり無意識的に尻をくねらせていた。尻を動かすことによって、そこに当たっている太く熱い物の存在がいっそう彼女の意識を捉える。
イサベラはもう何も考えられなくなっていた。ただ、彼の手と唇、そしてお尻に当たるものだけが意識を占領している。艶やかな唇は半開きになり、声にならない溜息を漏らし、露わにされている乳房は、乱れた呼吸に合わせて不規則的に上下にうねる。
彼女の手が下へ滑り降り、太ももの間をもてあそんでいるレオンの手に重なった。その手を自らさらに強く股間へ押しつけるようにし、彼女は背中を反らせ、レオンにもたれかかった。その動きにより、彼女の尻頬は小さく左右に開き、そこに押し付けられていた固い肉棒を挟み込む形になった。彼の分身がその場所にすっぽりと挟まり、落ち着くのを感じ、身体が熱くなる。薄地の服を通して彼の脈動する熱が伝わり、いっそう湿り気を増していく。
「あ、あなたをお口に欲しい…」とイサベラは呟いた。
だが、彼女自身は、その言葉を実際に発したとは思っていなかった。実際に口にしてしまったことに気づいたのは、レオンが突然、まるで火傷をしそうになったかのように、彼女を押し、身体を離したからだった。
レオンに押されてイサベラはつまづき、危うく床に膝をつきそうになった。身体のバランスを保とうと、階段の手すりにしがみつく。そして振り返り、肩越しにレオンを見た。
見ると、レオンは唇を震わせている。瞳は激しい感情でギラギラと輝いていた。
イサベラは、固唾を飲み、視線を落とした。自分の瞳に浮かぶ傷心を隠そうとするように。
「わ、私…ただ、そう思っただけ…、ご、ごめんなさい…」 と呟いた。
レオンは両手にこぶしを握り、突っ立ったままだった。強張った顔をしている。
「イサベラ、謝ることは何もない。本当に何もないんだ。俺自身、お前が俺を口に含み、愛してくれることを何よりも望み、そうしてくれたらと思っているのだから…」
彼は自制心を取り戻そうと葛藤しているのか、髪をひと掻きして、時間を置いた。
「…いや、少なくとも、もうひとつある。俺の指輪をお前の指につけてくれることだ」
イサベラはレオンが背中に近づいてくるのを感じた。彼の指が彼女の両袖を肩まで優しく捲り上げ、胸元へと忍び込み、彼女の小ぶりの乳房を包みこむのを感じた。イサベラは胸を触れられたまま、彼の顔を見ることができず、なされるがままになっていた。レオンの唇がうなじに触れるのを感じる。だが、やがて、彼の温かな身体が彼女から離れる。
「お前の柔らかな太ももの間に分身を埋込み、お前の甘美な体を味わいたい…その気持ちを、俺は、ほとんどないも同然の意思の力で押さえ込んでいるのだ。だが、そのわずかばかりの意思の力ですら、お前のその温かな唇に包まれたら、その瞬間に消え失せてしまうだろう」
イサベラは、背後にコツコツとレオンが去っていく足音を聞いた。たった今、レオンが言ったこと。その貴重な情報を考えながら、イサベラは心臓を高鳴らせ、緑色の瞳を輝かせるのだった。
~*~
夕食時、イサベラは、普段より多くワインを飲んでいた。そして、空いたゴブレットにお代わりを求めたときレオンが向けた怪訝そうな表情に頬を赤らめた。
彼女は必死に勇気を求めていたのである。そして、レオンに何か変だと気づかれないようにと祈っていたのだった。
その夜、彼女は独りで自分のベッドに寝た。期待にそわそわし、お腹のあたりが落ち着かなかった。シュミーズを着るべきか、長い間、必死に考え続けたが、結局、お気に入りのシュミーズを選び、それを着ることにした。普段と異なることをし、彼女のみだらな意図をレオンに気づかれるのを恐れてである。
そのシュミーズは、甘いチョコレート色のふわふわの生地で、クリーム色のリボンを胸の前で結んで締める形になっている。肩はあらわになっており、二本の細いリボンのストラップが掛ってるだけだった。
夜が明け、その光が優しく小部屋に差し込んだころ、イサベラは目を覚まし、落胆の溜息をついた。
レオンは彼女の後ろに横たわり、眠っていた。黄金色の裸体の姿で、横寝になり、片腕を彼女に預けている。その手のひらで彼女の乳房を覆ったまま。
たいていの夜は、レオンが両腕を彼女の体の下に差し込み、優しく抱え上げ、静かに城内を運び、自分の部屋に連れていく。そのたびにイサベラは目を覚ましていたが、運ばれる間、ずっと眠ったふりを続けていた。だが、昨夜は何事もなかった。
イサベラはレオンを起こさないように注意深く、二人の頭の上のところを手探りし、絹のスカーフを取り出した。それはベッドの頭のところに結びつけておいたもので、前日の午後、人に見つからないように隠しておいたものである。
イサベラは、息をひそめて祈りつつ、そのスカーフを優しくレオンの手首に巻きつけ、指先を震わせながら固く結んだ。結び目をいくつも作り、しっかりと結んだ。それから、彼が頭の下に添えているもう一方の手首にも同じように巻きつけ、結んだ。ちらちらとレオンの顔を窺い、様子を見たが、彼の長いまつげはさほど不自然な動きはしていない。
イサベラは、ゆっくりとベッドの反対側へと這いながら移動した。そして、お尻を高く掲げ、今度は彼の両足首の拘束に取り掛かった。
レオンが、何かをつぶやき、ほんの少しだけ寝返りを打ったとき、彼女は心臓が止まる思いをしながら、恐る恐る、肩越しに振り返った。見つかったかと思ったのである。しかし、彼の胸板はゆっくりと隆起と下降を繰り返している。
安堵の溜息をつきつつ、イサベラはレオンの太ももの横に正座した。寝ている間に彼の両手両足を縛りつけたのだ。その結果を見ながら彼女は心の中をハラハラするような興奮と期待が駆けめぐるのを感じた。
いま目の前に一糸まとわぬ姿でレオンが横たわっている。両手両足を縛られ、緩やかに身体を広げた姿勢で。まるで黄金の太陽神のように。
金色の巻き毛が軽く胸板を覆い、それが大きな下向きの矢印の形になって筋肉が波立った腹部を下り、脚の間の暗い鳥の巣へと向かっている。
イサベラはほんの少しだけ近寄ってみた。視線は彼の太ももに安らかに横たわっている太く長いものに向けられていた。そこをじっくりと見つめている。一度、彼の顔を窺った後、さらに前のめりになって顔を近づけ、そのダラリと横たわっているものを手に取り、試しにしてみるように、根元から先端にかけて優しく擦ってみた。彼は少し寝息を乱し、彼女は心臓がドキドキ鳴るのを感じたが、それでも、まだ彼は目を覚ましていない。
イサベラは、より大胆になり、親指で彼の先端を優しく撫でてみた。そして、そこにある小さな細い溝を興味深げに触ってみる。そこを触れられ、少しずつ彼が硬さを増すのを彼女は感じた。不安になって、眠っている彼の目へと視線を走らせる。そして、息をひそめ、数秒待ち、彼が動かないと知ると、今度は、そのベルベットの感触がする太いものを優しく指で包み、自分の指をものさしにして大きさを測った。
柔らかい時ですら、こんなに大きく、恐ろしいものなの、と彼女は好奇心から熱心に彼のそれを観察し続けた。今度は軽く持ち上げ、もう一方の手を下へ忍び込ませ、太ももの間に収まっている二つの球体を優しく包み、それがふんわりと柔らかなことを知った。そして、そこを優しく握ると彼がさらに硬さを増すのを知り、嬉しさに小さな溜息をもらした。
「イサベラ? 何をしてるんだ?」 突然かすれた声が聞こえ、彼女に危険を伝えた。
イサベラはおののきながら、はっと身体を起こした。そして驚いた眼差しで彼を見た。
「な、何も…」 と後ろめたそうに答えた。だが、その頬には恥ずかしさによる赤みがさしていた。レオンはじっと彼女を見据えた。その瞳には、ほんの少し前まで眠っていたような印は見えなかった。イサベラは心がざわめき立つのを感じ、困った風に下唇を噛んだ。彼はいつから目を覚ましていたの?
「俺にはそうは思えないが?」 とレオンは柔らかな声で呟き、拘束された両手首を動かしてみた。スカーフがほどけないのを知り、彼は目を細めた。イサベラにとっては危険な兆候だ。
イサベラはおどおどと一方の肩をすくめた。そうやって薄地のシュミーズの肩紐を肩から滑り落とす。レオンが見ている前、軽いレース地の布が滑り降り、ツンと尖った乳首の先端に引っかかった。布地の端からローズ色の乳輪がかすかに顔を出した。レオンは固唾を飲み込み、イサベラは手に握る彼の分身が蠢くのを感じた。
「縛りを解くんだ」
そうレオンは命令したが、イサベラは下唇を噛み、小さく頭を振った。それに合わせて、乱れた深紅の長髪が両肩の周りを揺れた。
「イサベラ?」
レオンはさらに目を細め、ピンク色に染まったイサベラの顔を睨みつけた。イサベラは恐怖を感じつつも、決して怖気づいたりすまいと意思を固め、ベッドの上、ぎこちない動きで身体の位置を変えた。そうして、すっかり固くなっている肉茎を握りながら、その指を優しく動かし、擦ってみた。レオンが息を飲むのが分かる。
「イサベラ…」 レオンは顔の表情を変えず、ただ、声をかすれさせて、繰り返した。「お前は、本当はこんなことはしたくないはず」
「どうして?」
イサベラは邪念なく、そう尋ねた。しかし、ある可能性が頭に浮かび、それまで続けていた優しい探究をはたと止めた。「私、あなたに痛みを与えてるの?」
レオンは、心配そうにこっちを窺うイサベラの瞳を見て、肺から呼気が震え出るのを感じた。
「い、いや! 違う!」 思わずがなり立てるような声になっていた。
「…俺が言ってるのは、お前の尻頬のことだ。後で俺の手にかかり、どれだけそこが熱く火照ることになるか、それを俺は気にしている」
「そう…」 とイサベラは安心して呟いた。だが、そのすぐ後で、
「まあ!」と甲高い声を上げた。レオンが、後で彼女にお仕置きの尻叩きをすると脅かしているのだと悟ったからだった。どうやら、今のレオンは危険な心境にあるみたい。だから今はスカーフを解くのは賢いことではないわ、とイサベラは思った。
彼女はレオンのことを無視することにし、再び、彼の肉茎に注意を向けた。なぜか、この姿に魅了されるのを感じる。両手の指で触りながら探究を続け、やがて触れていない部分がなくなるまでになる。その間、レオンはずっと無表情のままだった。歯を食いしばったままで、あごの表情は硬く、何も言わぬものの、両目からは彼女に重大な警告を発し続けていた。
イサベラは、自分自身がレオンに悩ましい姿を見せていることに気づいていなかった。彼女は、どんどん固さを増す男根を優しく愛撫し、擦っているだけのつもりだったが、レオンの目には、それと同時に、シュミーズの胸元から中が見え、悩ましげに彼女の乳房が左右に揺れる姿が見えていたのである。
再び彼女は小さな手で彼の分身をしっかりと握った。それを受けて、レオンは思わず背を反らせた。イサベラの手から逃れようとして、臀部を下のマットレスにぐっと押しつけた反動である。だが、この動きのために、分身を握ったままのイサベラの手は、その分身を強くしごき、絞る形になった。レオンは思わずかすれたうめき声をあげた。イサベラは、それを聞いて、びっくりし、ぴたりと動きを止めた。ひょっとして…
イサベラは頭を横に傾け、実験的に手で握ったまま上下に動かし始めた。そうしながら、目の片隅でレオンの状態を注意深く観察していた。手を動かすのに合わせて、さらに長く、太くなってくるのを感じる。レオンは険しい表情のまま、彼女を睨み続けていた。首筋には血管が浮き出ている。それを見つつも、イサベラは太ももの間に熱いものが溢れてくるのを感じていた。
実験の結果にますます自信を得ながら、彼女は引き続き彼の肉茎をいじり、焦らし続けた。間もなく、レオンの口から小さなうめき声が漏れ出し始めた。イサベラの手の動きに合わせて、無意識的に腰を動かし始めている。表情はというと、燃えるような目つきで天井を見つめている。顔つきが険しくなったり、柔らかくなったり。
「縛りを解いてくれ、イサベラ。今すぐに」 かすれた声で吐き出すように言った。苦しい息使いなのも分かった。
イサベラは、一度、大きく深呼吸し、彼の分身から手を離した。そして身体を起こし、ヒールを履いたまま正座する格好になった。
彼女は、この姿勢になると、薄地のシュミーズの生地がさわさわと乳房を愛撫するのを感じた。クリーム色のレースの生地が、ツンと尖り敏感になっている乳首を擦り、なおさら敏感にさせていく。
それに耐えられなくなったイサベラは、伏せ目になって自分の胸元へ目を落とし、そこのリボン状の結びを解き、生地が肌に触れないよう前を開いた。そして、恥ずかしそうに、伏せ目の瞳を上げ、レオンを見た。そして彼の燃えるような両目が、ちらちらと垣間見える彼女の柔らかいふたつの肉丘にくぎ付けになっているのに気づくのだった。
イサベラはレオンの太ももに手を添えて身体を支えながら、脚をまわし、両膝で挟むようにして彼の脚にまたがった。尻は彼の膝の間に降ろし、居心地良くなるまでくねくねと振って座りこむ。彼女は顔がピンク色に染まっているのを自覚していたし、レオンが恐ろしい目つきでその自分の顔を睨んでいることにも十分気づいていた。
レオンは、暗く燃える視線でイサベラを睨み、脅かした。「縛りを解くんだ。さもないと…」
イサベラは、身体の前にかかる長い房毛を邪魔そうに肩の後ろへと払った。彼女は、レオンの視線が、胸元のリボンの間から押し出すように顔をのぞかせている二つの肉丘から、ぷっくり膨らんだ腹部へと移り、さらには彼の脚を挟みつけている柔らかな太ももへと移動するのを感じた。彼の大きな脚にまたがっているため、今の彼女のシュミーズは危険なほど裾が捲りあがっている。
イサベラはレオンの腰の左右に手をあてたまま、ゆっくりと上半身を前に倒し、顔を彼の腹部へと近づけた。シュミーズはリボンも緩められており、さらにこのような姿勢になったことで、胸元の布地が垂れ下がり、レオンに彼女のみずみずしい乳房を見せつける結果になっていたことに彼女は気づいていなかった。
優しく、そして特段の注意を払いながら、イサベラはレオンの固い一物を握り、自分の唇へと近づけた。その瞬間、太ももで挟んでいる彼の脚の筋肉がキュッと引きつり、コブ状に盛り上がるのを感じた。そして、残酷なほど繊細に、羽毛で触れるように唇で彼の先端部に触れると、レオンの肺から呼気が激しく吐き出されるのを聞いた。
「くっ!」
レオンは呟いた。どっと汗を噴きだしている。イサベラがためらいがちに舌を突き出し、つるつるした頭部を繰り返し軽く弾き、その先端から出てくる真珠のようなしずくを味わうのを受け、レオンは、拘束されている両腕を緊張させ、ギシギシと音を鳴らした。
その様子をイサベラは下から見た。それから長いまつげを伏せ、味を堪能した。レオンの目に浮かぶ表情を見れば、この行為に対して後で大変な懲らしめをするつもりでいることが彼女にも分かった。
それでもイサベラはやめなかった。ビクン、ビクンと脈動をしている肉塊を握りながら、そのピンク色の唇で頭部に優しくキスをし、唇を擦りつけ、その後、唇を開いて彼を包みこんだ。そして、ゆっくりと顔を沈め、できる限り彼を口の中に取り込んでいった。
こらえきれなくなったレオンが突然、腰を突き上げた。それによってイサベラは喉奥を突かれ、驚いて目を丸くした。
レオンが歯ぎしりして言った。
「イサベラ、この忌々しい縛りを解くのだ。今すぐに!」
イサベラはレオンの怒りの様に身を縮ませ震えあがった。だが、それでも、自分の太ももの間に広がってくる不思議な興奮を否定できない。
「…いやです」
彼を口に含みながら、イサベラはもぐもぐと呟いた。そして、レオンの鋭い視線に全身が焼かれるをの感じつつも、ゆっくりと顔を上下に動かし始めた。
太く長いもので口の中がいっぱいになるのではあるが、上下動を繰り返すうちに、ゆっくりとではあるが、その大きさに慣れ、緊張もほぐれていった。毎回、口の中に取り込むたびに、いっそう奥へと入れていく。薄毛がまばらに生えている二つの球体を優しく手で包むと、レオンは腰をベッドからせり上げ、のけぞった。
レオンは自分の意思に反して、股間を突き上げ始めていた。間断的に尻肉が強張り、ベッドから浮き上がってしまう。一方のイサベラは、レオンの突き上げの攻撃を顔に受けるたびに、ううーん、ううーんと弱々しい泣き声を上げた。しかし同時に、レオンが静かにうめき声を上げるのも聞いていた。私は、彼を、その意思に反して興奮させている…。自分が女性であると同時に力を持っていることの甘美な感覚は、彼女にとって初めての感覚だった。
レオンは、童貞の男子のようにイサベラの口に漏らし出してしまいそうになっているのを感じ、苦しそうに呻いた。
「イサベラ、少しは慈悲の心を…。このままだと俺は恥ずかしいことをしてしまうことになってしまう。その前に俺の今の状態を何とかするんだ。さもないと、後で、お前に、お前が1週間は歩けなくなるほど仕置きをしなければならない」
「何とかするって? 私にどうしてほしいの?」 とイサベラはレオンの分身を口から出し、邪念なく訊き返した。本心から、どうしてよいか教えてほしいと。
レオンは、それこそ何千もの神々に今すぐ縛りを解いて欲しいと祈りたい気持だった。身動きできず、支配する力を拘束されていることで、彼の心は浸食されてきていた。今すぐ、イサベラの忌々しいシュミーズを引き千切り、素裸にして、あの愛しい乳首を舐めまわり、濡れた陰唇を擦り、自分の力で彼女を震えさせ、身悶えさせたい。イサベラを仰向けに押し倒し、あの狭い小さな女陰に猛り狂った分身を埋め込みたい。
レオンはこのような感情をこれまで一度も経験したことがなかったし、このような感情を持つことをひどく嫌悪していた。ではあるが、純真無垢な情熱で愛撫をしてくる、このイサベラの行為ほどエロティックなことも経験したことがなかったのも事実だった。
「イサベラ…。俺の上に乗ってくれ…。俺のそいつの上に、お前みずから身体を沈めてくれ」
イサベラは、頭を少し横にかしげて、ためらった。彼女は、何よりレオンの分身が自分の身体の中に入り、動いてもらうことを欲していた。だが、同時に、彼女の心のどこかで、彼を口に含んだまま、あの樹液を噴出さえ、それを味わいたいと思っている部分もあった。
その間も、イサベラは何も考えず、レオンを握ったまま、指でこすり、愛撫を続けていた。握った指に伝わってくる脈動する感覚。なぜか彼女にはそれが嬉しく、魅惑的に感じられていた。
レオンは苦しげに眼を閉じ、恐ろしいほどの表情を顔に浮かべながら、唸った。
「俺に乗ってくれ、イサベラ…。お願いだ」
お願いとレオンが言うのを聞いて、イサベラは声も出せず、唇を半開きにして驚きの溜息をもらした。彼女自身、レオンの求めを拒むことはできないと感じていた。私も欲しい…。
彼女は彼の分身を握りしめたまま、身体をくねらせて這い上がり、両膝をついてレオンの腰にまたがった。
一方の手でシュミーズの裾を握り、めくり上げながら、もう一方の手の震える指で自分の滴たっぷりの入り口に導いた。
湿り気でキラキラ輝く肉ひだをレオンの分身が滑り擦っている。イサベラは、その快感に、あぁぁんと弱々しい泣き声をあげた。長いまつげを伏せ、唇を半開きにしている。居心地の良い結合位置を求め腰をくねらせ、場所を探りまわるが、それにより彼の分身が彼女のピンク色の突起を偶然こすり、その甘美な摩擦が新たな官能を彼女にもたらす。いつまでもそこを擦り続けたい欲望が生まれてくる。
「イサベラ…」 レオンの声はかすれ、身体の筋肉は緊張していた。「俺は、あまり長持ちできそうもないのだよ…」
イサベラは、しぶしぶ彼の頭部を突起部分から離し、より後ろへと導いていった。そして濡れた入口へとあてがい、ゆっくりと身体を沈めた。ビクンビクンと脈動する頭部が濡れて熱を帯びてる割れ目の中へと嵌まり、落ち着く。
「そうだ…」 レオンは歯を食いしばりながら、かすれた声で言った。
イサベラは、喘ぎながら、さらに腰を沈めた。少しずつ身体を沈めながら、そのたびに彼の太い分身が自分の狭い肉壁を割って入りこんでくるのを感じる。
まぶたを閉じ、濡れた唇を半開きにして、ゆっくりと彼を取り込んでいきながら、身体の中が彼の固い分身によって広げられていくのを感じる。
ゆっくりと腰を沈め、少しずつレオンの分身を取り込んでいく。狭くきつい内壁がその分身を挟み、捉えていく。
「そうだ、その調子だ…」
肉茎の半分まで取り込んだところで、イサベラはいったん動きを止め、呼吸を整えようとした。自分のその部分の筋肉が彼の太さに慣れ、ほぐれるのを待つ。
だが彼女は不意をつかれた。レオンが腰を突き上げ、残っていた何センチかを一気に埋め込んできたからである。
「ああんッ!」
か弱い悲鳴を上げ、それを受け止めたイサベラは、その後、ゆっくりと腰を回した。最奥まで埋め込まれたレオンの分身を感じるのにぴったりの姿勢を求めようとしてである。だが、その動きのために彼女の小さな突起が擦られることになった。刺激の強い快感が全身を走り、イサベラは頭を後ろに倒して、またも「ああんッ!」と小さな悲鳴を上げた。
その快感から立ち直り、イサベラはゆっくりと目を開けた。深緑の瞳が見えてくる。自分を落ち着かせるように深く呼吸をした後、ゆっくりと頭を戻し、レオンを見下ろした。
肩に残っていたもう一方の肩紐がクリーム色の肩から滑り降り、彼女の乳房を露わにした。バラ色に染まる乳首が誇らしげに立ち、レオンの飢えた視線を受けていた。
レオンは、イサベラの魅惑的な深緑色の瞳の奥に官能的な情熱が浮かんでいるのを見て、「くっ!」と悪態をつき、固唾をのんだ。彼女の妖しい美しさに、今の彼には、ひたすら射精しまいと堪えることしかできない。
レオンの燃えたつほど熱いまなざしに促されて、イサベラはゆっくりと腰を上げ、頭部だけが彼女の熱く濡れた裂け目に収まるまでにし、そして再び腰を沈め、彼の極太で自らを貫いた。その瞬間、ふたりの口から同時にうめき声が漏れる。
一度その動きで快感を得ると、すぐに次の快感を求めて身体が動き出し、二回目のストロークに入っていた。そして、それが繰り返される。快楽に没頭しつつ、イサベラは、レオンの太く長い一物に対して上下に動き続けた。太ももの付け根にみるみる緊張感が高まってきて、やがてほとんど耐えられないほどになっていく。
すでに彼女の心の中からは、レオンを誘惑しているという意識は流れ去っていた。レオンが自分の中に出す前まで、なんとかして自分の制御を失ってしまわないようにと、必死に自分と戦うことだけになっていた。
左右の乳首をツンと尖らせ、緑の瞳に妖しい熱を浮かべながら、イサベラは上下の動きを続けた。快感のなせる業か、初めてであるにもかかわらず、彼女はその腰の動きをみるみる上達させていった。
やがて彼女の太ももの付け根に集まり、溜まり続けていた熱い刺激がほとんど頂点に達しそうになり、イサベラは左右の太ももをぎこちなく震わせた。まだダメと心の中で叫び、彼女は動くのを止めようかとためらった。
それを見てレオンは唇を歪ませ、小さな笑みを浮かべた。そして腰を動かし、イサベラの最奥を突き上げ始めた。狂ったような激しい突き上げによって、上に乗るイサベラの身体を揺さぶり続ける。両腕を拘束されたまま、燃える瞳で彼女の瞳を見つめながら、激しく身体を動かした。
「ああっ…! だ、ダメっ…!」
イサベラは激しい攻撃に身体をくねらせ、弱々しい声をあげた。暴れ動くレオンの腰に両手を押しつけ、主導権を譲るまいと必死にこらえた。
「お前を先にいかせてやる!」 レオンは、勝利に瞳を輝かせながら呟いた。
「レオン!」
イサベラは弱々しく叫んだ。腰を持ち上げ逃れようとしても、それを上回る勢いでレオンは情け容赦なく攻めてきた。濡れた彼女の肉筒に燃えるように熱いくさびで、奥深くまで道を開拓してくる。
レオンは、まるで身体の上に乗るイサベラを振い落そうとするような素早い突き上げを幾度となく繰り返した。そして彼の切羽詰まった攻撃に、イサベラは息も絶えだえだった。脚の付け根に溜まり続けた緊張が、ついに弾け散るのを感じ、その後、強烈なクライマックスに全身を引き裂かれるのを受け、彼女はぶるぶると体を震わせた。
一方、レオンも全身の筋肉を緊張させ、大きく腰を浮かせてのけぞっていた。と同時に、獣のような唸り声を出した。彼の分身がイサベラの中で激しく脈動し、洪水のように熱い樹液で彼女の中を満たした瞬間だった。
イサベラは、レオンの上にがっくりと崩れ落ちた。息をするのもやっとのように、肌は熱を持ち汗でぬれたまま動かなくなる。あらゆる思考が頭の中から消え、真っ白になっていた。ぐったりとレオンの胸板に覆いかぶさり、乱れた髪の毛を投げ広げたままの彼女だったが、彼女の身体のただ一か所だけは、まだ、優しく静かにヒクヒクと痙攣し、最後の一滴まで絞り取ろうと動き続けていた。やがて、手が這い上がり、レオンの高鳴る心臓の上まで来て、そこで止まった。
しばらく経ち、イサベラの呼吸が落ち着き始めたころ、レオンは優しく「イサベラ?」と呟き、呼びかけた。彼女はレオンの上に覆いかぶさったままだった。まるでレオンの身体に形を合わせるように、丸みを帯びた温かな身体を密着させて横たわってる。
「なんだ、その…、何か忘れていることがあるのではと思うんだが?」
イサベラは彼の上、少し身体をくねらせながら眠たげに何かつぶやいたが、それ以外は黙ったままだった。
レオンは横になったまま、胸板に乗っている彼女の頭のてっぺんを見下ろし、苦笑した。イサベラを起こさぬように注意しながら、拘束されたままの両手を動かし、ようやく片方の手首の結びを解いた。そしてもう一方も解く。
解かれた両手でイサベラの滑らかな背中の肌を撫で降ろし、やがてその両手は彼女の裸のままの尻頬へと降りた。
レオンは、心臓の鼓動が落ち着き始めるのを感じながら、今のようなイサベラの勝利の行為を、この先、二人とも楽しむことになるだろうと思っていた。イサベラは純粋無垢な性質であるにもかかわらず、鋭い性感が発達している生き物なのだろう。俺を興奮させようとすると、否応なく、自分自身も高めてしまうらしい。さっき放ったばかりの今ですら、俺の上に乗った時にイサベラの表情を思い出すと、再び興奮してくる。自分からした行為であるにもかかわらず、快感に突如襲われショックを受けた時の可愛らしい表情。
レオンは優しくイサベラの尻頬を揉んだ。だがイサベラはぴくりとも動かなかった。
お仕置きとしてここを叩くのは後にして、今は疲れ切ったらしいイサベラを寝かしたままにしてやろう…。そう思いながらレオンは唇を歪め、微笑んだ。
~*~
イサベラはレオンの居室のドアを静かに閉じ、冷たい石畳の廊下を軽い足取りで進んだ。自分から仕掛けた愛の交歓でレオンを極限まで高め、男性とは違うパワーを女性である自分が持っていることを知り、そして楽しんだ。そのことを思い、心の中が明るくなっているのに気づいた。
そんな物思いにふけっていたためか、イサベラは、突然、腕が伸びてきて腕をつかまれ、不意をつかれた。その腕に強引に引っ張られ、後ろ向きにさせられ、髪の毛が顔にかかる。そのまま背中を押され、石壁に強く押し付けられた。その圧力の強さに肺から呼気が押し出される。
何か冷たいものを喉元に押し当てられ、瞬間、心臓が止まるのを感じる。恐怖が背筋を走り、まばたきをした。ついさっきまで、いささかなりとも眠気があったにしても、それはすでに吹き飛んでいた。
「ようやく見つけたぞ」 聞き覚えのある声が耳元で囁いた。イサベラは膝から力が抜けていくのを感じた。
レオンに助けを求めようと口をあけると、すかさず手で口を塞がれた。その手の指が彼女の頬に食い込む。
「おとなしくするんだ。お前を傷つけたくはないからな。まだ今は」