「ヤング・ブラック・ヒーロー」 Young Black Hero   by Aceinthe hole 出所

私は毎朝、ある公園の中を歩いて娘を学校へ送っていました。そして雨の日は別として、毎朝、その公園の決まったベンチに彼が座っているのを見ていました。

彼は、一見、怖そうな感じの、大きな体格をした黒人の若者でした。若者と言うより少年と言った方が良いかもしれません。多分、17歳か18歳くらい。

彼は私たちが通ると、よく声をかけてきました。

「娘さん、可愛いねえ」 とか

「ママも、奇麗な人だなあ」 とかです。

最初、私は怖くてしかたがありませんでした。ですが、しばらくすると、あれは別にたわいないことで、私のようなタイプの生き物が通ると、彼のようなタイプの生き物が本能的に発する信号のようなものと考えるようになりました。大抵、彼は独りでいます。ときどき、他の人と何かまくしたてるように話していることがあります。そういう時はありがたいことに、彼は私に声をかけることはありません。

一度、彼が走っているのを見かけたことがありました。とても足が速かった。ガゼルのように、素早く、軽やかに走っていました。彼の後ろから太った警官が二人追いかけていましたが、とても彼にはかなわないようでした。

ある朝、娘のサラと私は早めに家を出ました。公園を歩いているとき、犬の散歩に来ていた知り合いの女性がいて、私は彼女と立ち話をしました。サラは近くの遊び場に遊びに行きました。

ですが、そこで遊んでるはずのサラの姿が見えなくなったのです。私は心配になりました。サラは私の目の届かないところに行ってはいけないと知ってるはずなのに。サラの名前を呼びながら、辺りを探しました。そして、サラの好きな人形が、泥にまみれて落ちているのを見つけたのです。パニックになり、体の中をアドレナリンが駆け回るのを感じました。その日ハイヒールを履いて出てきたことを呪いました。あの黒人青年のように、走りやすい靴を履いてくるべきだった。

そして彼の姿が見えました。いつものベンチに座っていました。私は彼のところに駆け寄りました。

「助けて、お願い、助けてください! 娘がいなくなってしまったの!」

「おや、ママ! まあ、落ち着いて。 娘さんはここのどこかにいるはずだから」

「ああ、どうしよう! どうしよう!」 

私は言葉が出てきませんでした。すっかりパニックになっていました。泥だらけの人形を振って彼に見せました。

彼は人形を一瞥し、何か閃いたような表情を見せました。一度に理解した様子でした。ぱっと立ち上がり、目をぎらつかせ、鼻孔を広げました。

「あの変態野郎だ。今朝、なんか気持ちの悪いヤツがここをうろついていたんだ。初めてみる顔だった。ママはあっちへ!」

彼は私の家がある方向を指差しました。

「俺はこっちを受け持つから!」

そう言って長い腕を振り回し、私が受け持つ領域の反対側の部分を示しました。

「警察を! まずは警官を探さなくちゃ」 私は息を切らして言いました。

「おまわりは5分前に行ったばかりだ。最低でもあと10分は戻ってこないよ。さあ、早く行って!」

彼が警官たちの動きを正確に知ってるのは、当たり前と言えました。

そして彼は駆け出しました。まるで風のように。私も自分の受け持つ方向へぎこちなく駆け出しました。見栄や会社のしきたりを理由に身にまとっていたファッショナブルな服や靴を呪いたい気持ちでした。

何も見つからず、次第に恐怖感が募るのを感じました。仕方なく、あの黒人青年が探しに行った方向へ向かいました。

息が切れて、立ち止まった時です。誰かが話す声が聞こえました。

「分かりました。ありがとう。ただ、後で、報告書にサインしてもらうため署に来てもらう必要があります」

「はい。ありがとう、おまわりさん」

そして次にサラが泣きだす声が聞こえました。私は走り出して角を曲がりました。そこには、40歳ほどの大きな白人男がいて娘の手首を掴んでいました。サラは泣きながら、もがいて男から逃れようとしていました。警官が2人。一人は、サラをつかまえている男と話しながら、何か手帳に記入しており、もう一人は、あの黒人青年の背中を足で踏みつけていました。彼は、後ろ手に手錠され、地面に伏していました。

パニックだった私は急速に怒りを覚えてくるのを感じました。白人男の方が変質者なのです。私はドシドシと彼らの方へ歩きました。男のシャツは血だらけだったし、鼻からもまだ血が出ていました。

「その人を逮捕して!」

私は、変質者を指差して、警官に叫びました。

男は私の顔を見るなり、娘を離し、走り出しました。警官は混乱した表情で私を見ていました。

「あの男をつかまえて! あいつが私の娘を連れ去ろうとしたの!」

手帳に記入していた警官が追いかけ始めました。もう一人はまだ黒人青年を押えたままです。

「その人は離してあげて!」

「奥さん、そうは行きませんよ。やっとのことで、とうとうリロイがブツを持っているところを押えたんだから」

警官はそう言って、2つの小さなビニール・バッグを掲げて見せました。中には何か緑色のものが入っていました。

変質者は逃げてしまったようでした。警官の足はあまりにも遅すぎました。

「私は、チェン判事の妻です。もし、この青年を今すぐ解放せず、あの変質者を逮捕しなければ、あなたたちは後で後悔することになりますよ」

私は小柄な女です。ブーツを履いていても、その警官の鼻先にやっと届くくらいの身長です。ですが、その時には、その愚かな警官の体をずたずたに引き裂くことができそうでした。

警官はちょっと疑っていた感じですが、ようやく手錠の鍵を出しました。

「それは私に!」

そう叫んで鍵を奪いました。 「早く、あの変質者をつかまえて!」

変質者の方を指差し、甲高い声で叫びました。変質者は公園の向こうの出口に近づいており、もうほとんど見えなくなりそうになっていました。

私は警官たちにはもはや目も向けず、私にとってヒーローである若者の手錠を外しました。彼は何も言わず、手錠が外されるとすぐに、駆け出し、公園の出口へと向かっている変質者を追いかけました。

あの変質者に対して私ができることはもうありませんでした。サラを両腕でしっかり抱きしめるだけでした。

警官たちはあまりにも足が遅すぎでしたが、あのリロイという青年はそうではありません。彼はあの男に追いつき、再びつかまえたのです。

後でリロイが私に訊きました。

「本当にチェン判事の奥さんなの?」

「ええ、そうよ。でもどうして夫のことを知ってるの?」

「前に、判事に執行猶予をしてもらったことがあるんだ」

私はなかなか眠れない夜が続いてました。寝ると必ず悪夢を見たのです。サラが行方不明になって、どこに行っても見つからず・・・と、そういう夢です。嫌な汗をかいて目覚めることが何度もありました。

でも、ときどき、リロイが出てきて、娘を私に返して、明るく笑いながら、

「心配するなって、チェンさん!」

と、そう言うのです。

そして、いつしか、その夢の内容が変わり始めました。私はリロイと愛しあっている夢になっていたのです。彼に抱きすくめられ、私は彼にキスをしている・・・。困惑した気持ちで、目覚める私でした。

例の事件から1週間ほど経った時です。私はいつもの生活スケジュールに戻ることにしました。サラと一緒に公園の中を歩いて彼女を学校に連れていくことにしたのです。正直、私にとっても娘にとっても、恐怖のため辛いことでした。

リロイはいつものベンチに座ってました。

「おはよう、奥さん!」

「おはよう、リロイ・・・」

「サラ? 君はリロイにおはようって言ってくれないのかな?」

「・・・おはよう、リロイ・・・」

娘は恥ずかしがって私の後ろに隠れつつも、返事をしました。

普通ならサラを学校に送った後、職場に向かう私ですが、まだ仕事を再開する気持ちにはなっていませんでした。そこで私はサラを送った後、公園を通って家に戻ることに決めたのです。公園を通ってと言うより、リロイに会ってと言った方が良いかもしれません。

彼は独りでいました。この時間帯だと公園にはめったに他の人はいません。

「こんにちは、リロイ」

「やあ、ミセス・チェン」

「メイと呼んでくれていいわよ」

「それって、どんな名前? 中国語?」

「ええ、そうなの。夫はここアメリカで生まれ育ったんだけど、私は香港生まれ。18歳のときこちらに来たのよ」

「何か用事ですか、ミセス・・・メイさん?」

私は、彼が座っているベンチに腰を降ろしました。

「リロイ、私こそ、あなたに何かして上げられることがないか知りたいの。あなたは娘を救ってくれた。私を救ってくれた。何かあなたにしてあげたいの」

彼は私を真顔で見つめました。

「いや、奥さんは何も俺に借りなんかないよ。男なら誰だってすること、それをしただけだ。もちろん、この前、俺がしたことは自慢に思ってはいるけどね。これから先、俺は自分の人生で多分なんにも良いことをしないだろうなって思うんだ。悪いことばっかり。でも、だとしても、この前のことだけはいつも自慢にできると思うんだ」

この、一見したところ街をうろつく若者にしか見えないリロイが、実は根が純真なのを知り、私は何か込み上げてくるものを感じました。彼に対する感情が溢れてくる思いでした。

私は彼の大きな手を取り、彼のハンサムな顔を見つめました。思わず、涙が目に溢れてきていました。

「おいおい、メイ、俺、何も泣かすようなことしてねえよ!?」

「ごめんなさい、リロイ。あなたを困らすつもりじゃないんだけど」

「いや、構わないけどね。まあ、いろんなことがあったわけだし」

彼は私の横に寄って、逞しい腕で私の細い肩を抱いてくれました。私は頭を彼の肩に預け、泣きました。そんなに長い間ではありません。少しだけです。

そして、私は急に立ち上がりました。ちょっと感じることがあったのでした。

「リロイ? お昼を一緒に食べない?」

彼は躊躇っていましたが、少し間を置いて返事しました。

「喜んで」

私は公園の先に見える家屋の列を指差しました。

「私の家は35番なの」

「何時に?」

「お昼は?」

「分かった」

私は少しドキドキしていました。もし彼が家に入るのを誰かに見られたら? 誤解されてしまうかもしれない。でも、多分、誰でも、彼は何か仕事で私の家に来たのだと思うだろうと思い直しました。

気持ちが高ぶってるところもありました。どうしてリロイを家に招いたのか、自分でもよくわかりませんでした。ただ、彼には親切にして上げたいと思っていたのです。何と言っても、彼は私にとってヒーローなのです。娘を助けてくれたヒーローなのです。

私はランチの準備をしました。

食事の間、リロイは自分のことを話してくれました。午前中は公園にいて、マリファナを少しだけ売っているようです。あの公園は、午後になるとかなり危険な人々が支配する場所に変わるそうです。リロイはその人たちとはかかわらないように気をつけているそうです。

午後は彼はバイトをして過ごすそうです。家には母親と幼い妹が二人いると言っていました。

食事を終えると、リロイは立ち上がって食器をキッチンに持っていきました。そんなことしなくていいのにと止める間もありませんでした。彼を止めようと私も後について行った時、彼が振り返りました。一瞬、二人は顔を突き合わせる形になりました。その時、私は彼の目を見つめ、突然、自分が溶けていく気持ちになったのでした。彼が欲しいと思いました。彼の匂い、若い動物的な匂いを間近に感じたし、体から発する熱も感じました。彼のオーラと言ってもいいと思います。

私は動くことができませんでした。動きたくなかったのです。動かなければならないとは分かっていました。リロイも、私が動かないので、キッチンのシンクを背に私に挟まれた形になっていました。

彼はゆっくりと、でも意識的に両腕で私を包み、そして力を入れて抱きしめました。彼の強い腕に抱かれて、私は嬉しく感じていました。

彼の手が背中を這い上り、黒髪の中を通って、私の頭を押えました。彼に顔を上に向かせられましたが、私は抵抗しませんでした。彼の目を見つめました。厚い唇が私の唇から何センチも離れていないところに来ていました。

キスして欲しいと思いました。彼の精気溢れる若々しいキスが欲しい。彼の力を感じたい。彼が私のために力を増すのを感じたい。その力の中で全身を洗われたい。その力に屈伏したい。圧倒されたい。

「メイ・・・メイ・・・」

そう彼は言いましたが、それ以外に何も言うことがないようにも見えました。

私はすでに蕩けていたと思っていましたが、二人の唇が触れた時、またも蕩けたように感じました。体全体が彼の体に蕩けていくのを感じました。私の小さな柔らかい体が、彼の大きくて固い体の中に蕩けていく。彼の大きな両手が私の背中をさすっていました。上は首のつけ根から、下は細い腰のあたりまで。私も小さな両手で彼の大きな体をさすり回りました。両肩の逞しい筋肉、そして腕。それに完璧といってよい丸く膨らんだお尻の筋肉。

リロイはフリースのトレーニング・パンツを履いていました。それを通して彼のペニスが熱く固くなっているのを感じ取れました。まるで熱くなったアイロンのように固く熱く私に当たっていました。

本当に永遠と思えるほど長く私たちはキスをしていました。二人とも、キスをやめてしまうと魔法が解けてしまうのではないかと、不安になっていたのです。キッチンでこんな風にして変な格好で立っている二人。でもその格好をやめるのが怖かったのです。

私は彼のトレーニング・パンツの腰ゴムのところを少し引き下げ、中に手を入れてみました。大きい・・・。確かに大きいことは分かっていました。すでに感じ取っていたことです。でも、実際に手で触れてみると、私は怖くなってしまいました。大きすぎるのです。彼が私の中に入るのは不可能かもしれない。今の私が彼に一番して欲しいことなのに、それをしてもらうのは不可能かもしれない。

私が彼のそれに触れた瞬間、彼は低い唸り声をあげました。彼が私の服のチャックを降ろすのを感じました。

私はセックスは不可能だとは思っていましたが、それでも続きをやめることはできませんでした。セックスはできなくても、できることはまだあります。

彼に抱きかかえられました。まるで人形のように私を軽々と抱き上げました。そしてそのまま階段を上り、寝室へと入りました。私は服を脱ぎ、リロイも裸になりました。完璧といえる素晴らしい肉体を見せてくれました。引き締まった胴体、長く強靭そうな脚、筋肉が波立って見える腹部、そして恐ろしいほどに長い大きなペニス。

彼をベッドの上に座らせ、私も上がって、両手で彼の器官を包みました。その力強さを感じ、嬉しく思う反面、とても残念な気持ちも沸いてきます。私の体は彼にはそぐわなず、これを受け入れることができないという残念な気持ちです。

「本当にごめんね、リロイ・・・分かると思うけど、どうしようもないわ。あなたは大きすぎるの」

「いいんだよ、メイ」

リロイは静かな声で言いました。私は頭を下げて彼の分身に口を寄せました。

「したくなかったらしなくていいんだから・・・でも、不可能なんかじゃないよ。絶対できるよ。誓ってもいい」

素敵なペニスでした。怖いくらいに黒々としていて、怖いくらいに大きなものでしたが。黒人男性の持ち物については耳にしたことがあります。でも、私はそういう話は信じたことがありませんでした。でも、こんな大きなものを持った男性は一体どうやって子供を作ることができるのでしょう? どんな女性なら、このようなペニスを自分のバギナに受け入れられるのでしょう?

彼は私の体を押して仰向けに倒しました。それから顔を私の脚の間に沈めました。

彼の舌がクリトリスを擦りました。とても甘美で素敵な感覚が沸いてきました。

私はこれまで浮気をしたことがありません。そして、本当にとても自然な形でこのような関係になったことに私は正直驚いていました。さらに、若いリロイの舌にこんなに激しく達した自分にも驚いていました。

一度達した私に対して、リロイはいつの間にか私の上に覆い被さり、ペニスで私のクリトリスを擦っていました。巨大で恐ろしいほどのペニスで。私は囁きました。

「リロイ?・・・無理よ。無理だわ。入りっこない。もちろん、入れてもらえたらどんなに嬉しいだろうとは思ってるの。でも、不可能なのよ」

「メイ・・・ リラックスして・・・」

リロイは優しく、なだめるように言いました。

「ただリラックスしていれば分かるよ。でも、やめて欲しかったら俺に言ってくれ。メイ? やめて欲しいのか?」

もちろんそんなことは言いませんでした。やめて欲しくない。彼の力強い黒い器官が私の中、上下に滑り動くのを感じたい。それに触れられるだけでオルガスムに達しそう。そのオルガスムを体全体で受け止めたい。

リロイが指を入れてきました。ゆっくりと出し入れをして。いつしか指は2本になって、私の中を広げていました。私の準備を調えているのです。

私は抵抗をあきらめ、彼に従うことにしました。脚を広げ、彼が来るのを待つ姿勢になったのです。

ゆっくりと、とても注意深く気を使って、リロイは彼の素敵な道具の太った先端を私の中に入れてきました。確かに痛みがありましたが、同時に快感もありました。苦痛と快感を同時に楽しめることに、我ながら驚いていました。

彼はゆっくりと奥へ、奥へと入ってきました。私は怖くてたまりませんでした。彼のとてつもなく大きなものを入れられて、私は死んでしまうのでは、と思っていたのです。

でも、それはいらぬ心配だったのかもしれません。というのも、リロイはとうとうすべてを私の中に入れていたからです。二人の陰毛が絡み合っているのが見えました。私もリロイも、その姿勢のまましばらくじっと動かずに留まっていました。こんなに中が充満している感覚に驚いていました。そもそも、これほどの充実が可能なこととは知りませんでした。もし、リロイが動き始めたら、今度こそ私は死んでしまうのではないかと感じました。

でも、この時も私の不安は無意味だったのです。リロイが動き始め、そしてそれはとても気持ちよかったのです。私も次第に慣れてきているのを感じていました。この中をぎりぎりまで広げられている感覚、充満されている感覚、それに体が順応してきているのでした。

リロイはしきりと私にリラックスしてと言っていました。私は、それに従って、できる限りリラックスしながら彼を受け止めていました。そして、やがてオルガスムが近づくのを感じたのです。

それは、嵐の海で岩に大波が襲い、打ち砕けるように、私に襲いかかってきました。その強烈さに全身ががくがくと震えていました。

そして私の中の彼が痙攣を始めるのを感じました。同時に、熱い噴流が私の中に力強く当たり砕けるのを感じました。リロイが頂点に達し、私の奥深いところに放ったところでした。

どうしても、もう一度リロイと会いたい。会わずにいられない。自分の気持ちははっきりしていました。

でもそれは危険で、難しいことでした。彼も私も、とても注意深くならなければいけないと自覚していました。私たちはホテルで会うことにしました。

私はヘアスタイルを変えました。それまではアップしてまとめていたのですが、長く垂らしウェーブをかけました。お化粧にも時間をかけました。服は青いシルクのドレスにしました。38歳になる私にどれだけ女性的な魅力が残っているのか分かりませんが、そのわずかな魅力を強調するようなドレスでした。

私は、背が低く、痩せています。脚も短く、胸もほとんどないようなものです。でも、髪と肌はまだ健康的で若々しいと自信がありました。それにヒップもキュッと締まっていると思います。お腹も出産後、再び平らに引き締まっていましたし、妊娠線も目立たなくなっていました。

彼は若くてハンサムです。そんな彼が私のような女を求めてくれていることに、おだてられているような気持ちの高揚がありました。でも、私自身もリロイに魅力な年上の女性にみえるよう、私にできることをしなければいけないと思っていました。

ホテルの中、私は彼の体をマッサージし、彼の素晴らしい肉体を崇めるように、愛撫しました。それに、彼の素晴らしい愛の器官にも。手と口を使って、その素晴らしさを崇め称える愛撫を繰り返しました。

彼が私の中にそれを二度目に入れた時は、前に比べて容易になっていました。

私は、このようなセックスがあることを知りませんでした。夫に出会って結婚するまで、性体験は2度ほどしかありませんでした。夫はとても良い人で、私は愛しています。リロイを知るまでは、夫とのセックスは気持ちよいと思っていました。でも今は違います。夫との性の営みは、いつも、どこか情熱に欠け、完全な燃焼には至らないものだったと感じています。確かに、夫のペニスはとても小さいのですが、そのことが、夫とのセックスが、リロイとのセックスに比べて貧弱であった理由とは思っていません。

夫は、知的で、繊細で、社会的に成功しています。一方のリロイは、生命力に溢れ、力強く、野性的で、そしてとても若い。

リロイは私に夢中になっていました。どうしてなのか、私には分かりません。私はそんなに女性的な魅力があるとは思えません。リロイは彼の母親に十分に愛されてこなかったのかも知れません。でも本当のことは分かりません。分かっていることは、私は彼を拒むことができなくなっていることでした。彼の若々しい肉体を欲しい、いくら与えられても、さらにもっと欲しくなってしまう、彼の生命への情熱が愛しい、ということです。そして何より、彼のセックスへの情熱が愛しい。

私は、リロイと会うために小さなアパートを借りました。リロイは、午前中の公園での取り引きから、午後のアルバイトに出るまで2、3時間、空き時間がありました。私もお昼休みの時間を2時間に延長するようになりました。その埋め合わせとして夕方は残業するのです。

リロイが喜ぶようにと、セクシーな服を買うようになりました。様々な種類です。タイトなレザーのスカート。丈の短いレザー・ベスト。いろいろなネグリジェ。ガーター、ストッキング、そしてハイヒール。高価なデザイナー・ドレスから、若い娘が着るようなチープな服まで。

私は彼に飽きられたくなかったのです。自分が彼の倍の年齢だという事実を決して忘れませんでした。リロイには、若い女の子が彼にしてあげられる以上のことをしてあげなければ、私のような年上の女は飽きられてしまうでしょう。しかも彼に会えるのは1日1時間か2時間足らずしかないのです。

ときどき、二人とも余計に時間を見つけて、街の外に車を走らせることがありました。

ダンスクラブにも行きました。私は誰かに見られてしまうかもしれないと不安でしたが、リロイが言っていたように、たとえ誰か私を知ってる人が私を見ても、あのような場所で、あのような服を着ている人を私だと思う人はほとんどいないだろうと思います。

彼と一緒に外に出る時は、私はちゃらちゃら遊ぶ若い娘のような格好を好んでしていました。ヒール高12センチくらいのハイヒールを履きます。それを履くとようやく私の頭の先がリロイの鼻の辺りになります。お化粧も濃くして、首には鋲打ちした黒革のカラーを巻き、安手のジュエリーをたくさんつけ、肌も少し露出するのです。

リロイは、彼と同年代の若い友だちに、私のことを自慢気に紹介しました。私のことを自慢しているのです。私はとても嬉しくなっていました。彼が人種に分け隔てなく、いろいろな人種の人を友だちにしているのも嬉しいことでした。みんなハッピーな人たちで、あの人たちといると、私の中に何か希望が溢れてくる感じがしました。

私は、これまでずっと非常に保守的で地味な女として生きてきました。その私が今はこのようになっている。そのことに自分自身驚いていました。リロイは私を連れて外に出かけるのが好きです。それに、私が、男性たちが思わず声をかけたくなるようなセクシーで魅力的な格好になるのを喜んでくれます。私一人でしたら、強引に誘惑されたらどうしようかと怖くて、とてもそのような格好にはなれません。ですが、彼と一緒ならば、私は完全に安全でいられると安心できます。何と言っても、リロイは私にとってヒーローなのです。それに派手でセクシーな格好でいると自分自身、若返った気持ちになれました。ノーブラでシースルーのブラウスを着て、その気になれば誰でも私の小さな胸を見ることができるようにする。実際、私の胸をちらちら盗み見する人がたくさんいました。

改めて思い返すと、自分には青春時代がなかったのだと思いました。香港を出るまでは、学校でトップの成績を取るために一生懸命勉強ばかりしていました。アメリカに来て大学に入った後も、同じように勉強ばかりしていました。卒業後はすぐに仕事につき、そして若くして結婚しました。

夫は私より10歳年上で、とても落ち着いた人です。「落ち着いた人」というのは、私が生まれ育ったところでは、「良い人」を意味します。ですが、ここアメリカでは、「退屈な人」という意味になります。

リロイや彼の友だちは、よくマリファナを吸っていましたが、私は一度も吸いませんでした。私は、一緒にマリファナを吸わないので仲間はずれになるかと心配しましたが、驚いたことに、彼らはまったく気にすることなく同じように付き合ってくれました。みんなハイな状態になると、本当に楽しく盛り上がって、みんなでいつも笑ってばかり。やがて、私も彼らの仲間の一人になっていました。ときどきみんなで群れをなして映画を見に行ったり、ダンスクラブに行ったりしました。

そのように家庭を持つ妻であり母でありながら出歩くことが多くなった私ですが、それはあまり難しいことではありませんでした。夫は仕事に夢中になっていましたし、夫自身、夜遅くまで帰ってこないことが多かったからです。すでに2年ほど前から、夫とは寝室が別々になっていました。

何度か、リロイの仲間の若い娘たちが、私にあれこれ助言を求めてくることがありました。たいてい彼氏との問題などの打ち明け話です。これはとても嬉しいことでした。若い人たちが私を受け入れてくれているのです。自分が彼らの世界の一員になっていると自覚できて、嬉しいことでした。こんなに人から受け入れられている感覚を味わったことはそれまで一度もありませんでした。

ある日、リロイがとうとう私の願いを受け入れてくれました。その時の嬉しさは忘れられません。彼はあの公園で行っていた危険な取り引きの仕事をやめてくれたのです。その後、彼はフルタイムの仕事につきました。でも、それによって私たちのお昼休みのランデブーは終わりになってしまいました。

私自身の二重生活も次第に困難になっていきました。家における、フルタイムの仕事を持った母としての生活。それと、もう一つの家における、秘密の彼氏との生活、そして彼と一緒に行う若者たちとのお付き合い。

リロイのセックスの能力には、限界がないように思われました。彼は夜間学校の授業を受けるようになっていました。私は、その準備のために本を読んでいる彼に抱きついているのが好きです。二人ともアパートではいつも裸になっていて、カウチに座りながら勉強したり、じゃれあったりすることが普通でした。

そういう時、よくリロイはただ大きな手を片方だけ私の体に差し向け、優しく触ってくれるのでした。そうしてもらうだけで、私の中から生活でのすべてのストレスがたちどころに消えていき、替わりに幸福感が充満してくるのでした。

本を読んでいる彼のペニスをいじるのが好きです。もはや、彼の持ち物に対する恐怖感はまったくなくなっていました。一回につき一時間くらい固くさせ続けるのです。そうして、おもむろに彼の脚の間に忍び込んで、2分くらいだけおしゃぶりし、またもう少し勉強を続けさせてあげるのです。

時間が遅くなっていたり、彼が勉強の一段落がついた時には、彼は本を横において、本格的に私の相手をしてくれます。彼の腕の中、私はまるでおもちゃのようなものです。リロイは、軽々と私を抱き上げ、膝の上に乗せます。二人、体を密着させて、互いのお腹で彼の大きなペニスを挟みながら、キスを始めるのです。

いまだに彼のペニスが入ってくる時には小さな痛みを感じます。ですが、その後に続く、ゆったりとして長い愛の時間と、絶頂が近づいた時の激しい出し入れを思うと、最初の痛みも特別愛しいものに感じられます。

私が彼のサイズに慣れた後は、彼は思う存分に激しく私を愛することができるようになりました。そういうときの彼の激しさがどれだけ私にとって素晴らしいものか、どう言葉にしていいか分かりません。もちろん、オルガスムに何度も達していますが、それだけではありません。私のことを愛することが人生で一番のことであり、他のことはすべて二次的であると思ってくれている人、そういう人に激しく強烈に体で愛されているという感覚がとても素晴らしく、私は舞い上がっていくのです。

もちろん、このような状態が永遠に続くとはあり得ないと分かっていました。むしろ、こんなに長く続いたことを驚いています。ほぼ2年間でした。すでに私は40歳に、リロイは20歳になっていました。私の黒髪にも白い物が混じり始めていました。十分に睡眠を取らずに過ごした二重生活の期間が長すぎたのかもしれません。多分、それが理由で、リロイは若い恋人を見つけたのでしょう。

その女の子のことは知っていました。むしろ、気に入っていた女の子でした。彼女は、一度、前の彼氏のことを私に告白してくれたことがありました。彼女はイベットという名で、リロイと同じ年頃の、奇麗な黒人の娘でした。

最初、リロイは私には話しませんでした。でも私が支払っているアパートの中、イベットの存在を匂わすような物がちらほら見え隠れしていたことに私は気づいていました。

それでも、リロイとの愛に中毒状態になっていた私は、事実には気がつきつつも、それを見ぬふりをし、できればあの若い娘と彼を共有しようと思っていました。でも、そうはならないのでした。リロイは、近ごろでは珍しいタイプの人間なのだと思います。つまり、愛する女性は一人にしかできない男。

私はイベットと話しをしました。イベットは私のことをとても尊敬してくれていました。そして、リロイとそのような関係になってしまったことに大きな罪悪感を感じていました。

「でも、イベット? どうして?」

「あの夜、メイさんを探して彼のアパートに行ったの。でもあなたはいなかった。リロイはティーを入れてくれて。とても優しかったわ。そして二人で遅くまでおしゃべりしてたの。それから・・・どうしてああなってしまったのか分からない。いつの間にか、彼と抱き合っていたの。悪いことだとは知っていたけど、でも、二人ともどうしてもやめられなかったの・・・」

イベットは泣き出しました。

「さあ、さあ、イベット・・・」

私は、自分のライバルでもある泣きじゃくる娘を優しく抱いてあげました。自分が身を引いて、若い人たちが人生を進むのを助けてあげなければならないと思いました。

「メイ? とても優しいのね。私を恨んでもいいはずなのに。あなたの彼を奪おうとしているんだから。どうしてそんなに優しくなれるの?」

「イベット? 私はそんなに優しくないわ。分かってるでしょう? 私は結婚しているの。そして夫はリロイではないの」

例の変質者は、サラを誘拐した罪で告訴されました。彼は、以前にも未成年者をレイプした罪で2回、罰を受けていました。今回の件で、あの男は二度と刑務所から外に出てくることはないでしょう。

私のリロイとの情事が終わった今、私は公然とリロイに会うことができるようになりました。もちろん男女の関係として会うことではありません。ときどき私はリロイとイベットを家でのディナーに招いています。私はリロイを愛しています。だから彼にとって一番良い結果になることを望んでいます。そして、彼にとって一番良いこととは、長い目で見ればイベットと一緒になることなのです。

夫は、突然、私がセックスに積極的になったのを驚いています。再び、夫と愛しあうようになったことは良かったと思います。でも、正直な気持ちを言うと、やはり今でも私はリロイとの愛が、彼の若く力強い肉体が欲しくてたまらないのです。


おわり
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