結婚して10年目を過ぎた頃からか、僕たち夫婦は完全に倦怠期に陥ってしまった。妻は36歳、僕は4歳年上の40歳、この年齢は仕事もハードとなってきておりストレスと疲れが溜まる年代でありどこの夫婦も同じであると思う。子供たちに言わせれば 「いつもくたびれているお父さん」 だそうだ。でも妻は 「いつも綺麗で素敵なお母さん」 と誉めている。確かに妻は綺麗なのだ、若い頃アルバイトでファッション雑誌などのモデルをしていただけに美人系でありセミロングヘアがよく似合う。同僚も羨むほどの妻だが夫である僕にとっては食べ厭きた果実に過ぎない。
* * *
たまたまそんな時にネット徘徊していたらワイフストリーというところに行き着いた。海外の色々な夫婦の物語が翻訳されており驚いた、感激した、刺激になった。特に「妄想」や「夫の知らぬ間に」「妻の浮気(実話)」「貞淑な妻も、今は淫乱」などなど読み終えた夜は久しぶりに、本当に久しぶりに妻を求めた。いつもは途中で中倒れする僕が最後まで勢いが続いたことに妻は喜んでくれた。
「久しぶりに凄かったわね、どうしたの?」
逆に疑われるほど僕は興奮していたのだろう。愛妻が他人に抱かれるシーンと妻が重なってどうしても興奮してしまったのは仕方ない。僕にもそんな性癖があったのか、それは気づかなかった。つまり妻が誰かに抱かれることを妄想することで倦怠期が乗り越えられることを。
* * *
だが妻は貞淑で浮気などありえない、またそんなこと出来る女性でないことは永い夫婦生活で知っていた。結婚前から結婚後も僕一筋であり多分一生そうであるはずだ。そう思い込んでいた。これは間違いないことだろう。それゆえに妄想する範囲で僕は楽しんでいた。
でもワイフストーリーを読むことが日課となっていたある晩にベッドに入り込んで妻にそれとなく問いただしたくなった。
「浮気・・・したいと思ったことない?」
「ええ・・・? 何を言うの、変な人」
妻は背を向けて僕の言葉をバカにしたように無視された。
「最近、元気だと思ったら・・変なことを言って・・・」 背を向けたまま妻は答えていた。
「だからさ・・・そう考えたことあるかなと・・・」
「あなた、浮気したの? だからそんなこと言うんでしょ」
意外と冷静な妻の言葉だった。でも妻の答えにはなっていなかった。
「そうじゃないよ、浮気したいと思ったことあるかなとただ聞きたかっただけなんだよ」
「・・・」
返事がない、おやっと思った。
「・・・もし、あると言ったら? どうするの」 妻の声は少し震えていた。 「しても・・いいの?」
その言葉に僕の脳裏にワイフストーリーを読んだ内容が混ぜんとなって妻と重なってしまった。
「ああ、いいよ」
「嘘、あなた変態よ、それって」
「家庭を壊さなければいいと思うよ」
ドキドキしながら僕は心にもないセリフをはいていた。妻の次の言葉を聞きたい。そう思ってきていた。
* * *
「もし・・・わたしが浮気しても許してくれるということなの?」
「ああ、許す・・・と思う」
「どうして?」
「わからない・・・けど」
妻は起き上がって階下に降りていった。しばらくして冷えたワインを片手に持って上がってきた。
「どうしたの?」
僕たちはベッドでワインを飲みながら話の続きをした。
「変態といわれたけど、おまえが浮気していることを妄想すると元気になってしまうんだ、何故だかわからない」
「ふう・・ん、変な人ね」
妻はワインを一気に飲み干すと再び注いだ。冷静に僕の話を聞こうとしていた。
「わたしがあなた以外の男性とすることで興奮するのね」
「そうなんだ、でもあくまでも妄想だよ」
「・・・もし、それが現実となったら?」
「それは・・その時になってみないと何とも言えないな」
「怒るでしょうね、きっと」
妻は僕のグラスにもワインを注いでくれた。
「浮気かあ・・・もうしないわよ、きっと」
「?もう?・・・それってどうゆう意味?」
妻は少し紅らんできた頬をさすって何かを思い出そうとしていた。
* * *
「一生隠し通すつもりであったんだけど・・・聞いてくれる?」
「何を・・・」
「正直に言うわ、本当のこと、ダメね、わたしってやっぱり隠し通せないわ」
僕の鼓動はワインのせいではなく早鐘を打ち始めていた。妻の隠し事って・・・一体何なんだ。
「もう・・・3年前のことよ、だから許してね」
「ああ・・・」
「3年前にある人と・・・お付き合いしてたの」
「ホント?」
「ええ、本当よ、嘘じゃないわ」 妻は僕から少し離れて話出した。
「何処で誰と知り合ったかは聞かないでね、お願い」
「ああ、いいよ」
僕は次の話を聞きたかった。貞淑な妻が浮気なんて信じられない出来事であったからだ。
「その人と・・・知り合って・・・1年くらい続いていたの・・関係が」
寝耳に水、青天の霹靂という言葉が適しているのか分からないが僕のとっては信じがたい言葉であった。
「知らなかった・・・全然知らなかった」
「こっそり逢っていたわ」
「どのくらい?」
「そうねえ、月に2.3度かな」
「どこで・・・」
「・・・」
「エッチしてたの? 抱かれていたのかい、そいつに」 僕は声をついつい荒げていた。
「ほらね、怒っている」
「・・・」
頭がクラクラしてきていた。この真面目な妻の口から予想外の言葉が次々と出てくることに戸惑っていたのだ。
「ええ、してたわ、だって・・・」
「だって?」
「好きな人だったし・・・」
「キスもしたの?」 僕の頭は混乱していた。変な質問ばかりしていた。
「ええ、当然でしょ」
僕はワイングラスを傾ける妻の唇を見つめていた。この唇がその男と合わさって舌を求め合う姿を想像していた。もっと聞きたかった、色々なことを聞き出したかった。だが何から聞いていいかわからないほどで冷静さを失っていた。
* * *
本当に我が妻が浮気をしていたのかと思うと信じられない告白であった。第一に貞淑な妻だっただけに3年前のこととはいえ、この現実をどう捉えていいのか分からなかった。頭の中では全てを聞き出したい衝動に駆られたが何から聞き出そうとする焦りがあった。
・・・・・沈黙がしばらく続いた。妻はワイングラスを見つめ続けていた。
・・・・・内心は期待した出来事が起きたことではないか、いやいや期待していたとはいえそれは妄想の世界のことであり現実としてはショックなことだと自問自答していた。
3年前のことを思い出そうとしていたが妻は今も昔も変わっていないだけに僕が気づかなかったことは騙されていたのか。
妻の真っ白な裸体に見ず知らずの男が重なり抱擁を想像すると僕の分身に熱いのもが溜まり始め不思議と勃起しつつあった。
僕は冷静さを装って妻の罪の意識を薄れさせながら聞き出そう試みた。
「もう、過ぎたことだろ? 過去にはこだわらないよ、だから・・・」
「?だから」
「だからさあ・・もうちょっと詳しく話してくれよ」
「寛大なのね、あなったって」 妻は安心した様子だった。
「何から話ていいか、わからないわ」
「じゃあ、僕が質問するから、正直に答えてほしいな」
「わかったわ」
* * *
我がワイフストーリーの始まりであった。
「その男とはどこで知り合ったの?」
「車がパンクして修理してくれた人」
「いつ?」
「だから3年前、仕事の帰りにパンクして道端で困っていたら止まって簡単に直してくれたのよ」
・・・そう言えばそんな話を聞いたようなことがあった。
「お礼をしたくて名前を聞き出そうとしたけどいいからって立ち去ったんだけど、それから何日かして偶然にも行き会ったのよ」
妻は嬉しそうに思い出していた。
「本当に偶然だった、運命の出逢いを感じたわ、どうしてもお礼したかったら嬉しかった」
「ふうん、それで」
「何もいらないからって言われたけどお食事に招待したの」
「感じのよい方で、好みのタイプだったわ、久しぶりに独身に戻った気持ちになったの」
「独身?」
「じゃないわ」
「年齢は?」
「少し年下」
「じゃあ、34、35歳くらいだな」
「・・・」
この男性についてもっと色々と聞き出したかったが次を急いだ。
* * *
「それで・・・いつ関係ができたの?」
「それから何度か、メール交換してから・・・」 貞淑な人妻が他人に身体を委ねる心境が少しだけ分かってきたようだった。
「どこで」 乾いた喉から声を搾り出した。
「会社休んで車でデートしちゃったの、その時に・・・」 恥ずかしそうな声だったが僕に詫びる感じではなかった。
「デートした帰りに誘われて・・・」 想像しただけで痛いほど膨らんできているのが分かった、僕は興奮していた。
「黙ってついていったの? 拒否しなかったの?」
「うん、この人ならという覚悟みたいな気持ちがあったわ、後悔しなかった」
そんなものなのか、人妻といえども単なる女、本人がその気になれば意外と簡単に陥ちてしまうのだった。
「で?」 その男はどうだったか、早く聞き出したかった。
「その時が始めてで・・・それから付き合い始めたの」
「それは分かっている、そのときはどうだったか・・・聞きたい」
「恥ずかしいけど・・・よかったわ」
妻の一言一言を聞きながら妄想の世界に入りこんだ。
男の背中に隠れるようにしてラブホテルに入る妻の姿。部屋に入るなり抱きすくめられたままキスするシーン。それともベッドへ倒されて抱き合ったのか、妻は感度がいい、キスされただけできっと濡れただろう。その男は脚フェチだろうか、妻のスラリとした脚は今でも綺麗で形良い。それとも妻が上になって男にキスを求めたのだろうか。
* * *
「詳しく言えないわ、後は彼に任せたから・・・」
「大きさは」 どうしても聞きたかった。
「どうして、そんなこと聞くの? 大きさなんて関係ないわ」
「そんなものなの? 関係あるだろ」
「普通でしょ、きっと」
「そうじゃない、僕のと比較して」
僕は負けたくなかった、僕より大きくて太い肉棒に貫かれる妻のよろこぶ姿を想像したくない変な自負心があった。
「形は違うけど・・・多分あなたよりは小さかったかも・・」
「したの・・・」
「何を?」
「フェラチオだよ」
「・・・しなかったわ」
「ホント?」
「ええ、始めてでそこまでの勇気はなかったし・・・もういきなりだったから」
何故か、安堵した。フェラチオを教え込んだのは結婚後だった、それまではどうしても嫌がる妻だったが慣れるにつれ上手になってセックスの前戯には必ずしてくれたからだ。そのテクニックを僕以外の男に施すことが許せなかったからだ。
「でも・・それは何度か目にはしてあげたわ、当然でしょ、エッチするんだから」
次第に告白も大胆になってきていた、ワインも二人でほぼ一本空けていた。
* * *
妄想も限界にきていた。僕はパジャマを脱ぎ捨て妻を押し倒した。
「あら・・こんなに勃起している」
「・・・おまえの話を聞いて我慢できなくなっちゃった」
もう二人とも完全に酔っていました。パジャマを脱がすとノーブラでした。いつものように乳首を丹念に舐め回しパンテイも一気に脱がしました。すでに妻のおまんこは驚くほど濡れており指で強引に掻き回しました。
「あなたって・・・すごい」 その男に負けたくない、そんな気持ちだけでした。
妻の手は優しくさするように僕のペニスに絡みつきしごく仕草を始めました。
・・・そいつにもこんな風にして・・・あげたのだろうか。
どうしてもその男が重なってしまい興奮し続けました。妻は僕の下半身に顔を埋め、フェラを始めました。生暖かい感触が身体全体を溶かすような刺激が襲いました。
* * *
その晩は結局朝方まで妻を抱き続けました。まるで10代に戻ったように涌き出る精力に自分が信じられなかったほどでした。話は途中で途切れたまま寝てしまったものの翌朝はまったく変わりのないつもの妻が朝食の準備をしてました。夕べの告白は嘘であったかのように子供に接していました。
それからその話の続きは妻はしなくなりまた僕も聞こうとはしませんでした。過去のことをいつまでも聞き出すことに男としてのプライドがあったからです。
しかしどうしてその男性と別れたのか、またどこに住んでいるのか知りたくてなりませんでした。そのことが気になっていた僕は妻が不在のある日に当時の証拠が見つかるかも知れないと思いつつ妻の整理棚を調べて見ました。案の定、几帳面な性格なだけに手帳が数冊みつかりました。僕は3年前の手帳をくまなくめくりました。やはり・・・そう思ったのは怪しいマークが月に数回ついていました。これはその男とデートした日、つまり抱かれた日に相違ないと確信を持ちました。問題はその男性の名前が誰なのか、どこに住んでいるのか、知りたかったのです。
* * *
手帳の後ろについているアドレス帳に目が移りました。そこには仕事先や友達など細かいが綺麗な字でびっしりと書かれていました。そんな中からこれはと思われるものを見つけようと必死でした。
何人か知らない名前がありましたがその中から携帯電話と自宅の住所らしい番号に目が止まりました。何故かピンとくる予感がしました。
これだ、これに違いない。その番号をメモして翌日からNTTの電話帳を徹底的に調べ始めました。携帯電話は不可能ですがNTTの電話帳からは思ったほど早く住所が見つかりました。
妻を抱いた男とはどんな奴か、どこへ勤めていているのか、知りたいことが山ほどありました。まるで探偵のような気持ちでいました。
どうして別れたのだろうか。未練はないのだろうか。それともまだこっそり逢っているのだろうか。その反面、いまさら男を見つけてどうする、復讐するのか、これらは全て妻の嫌がることを僕はしようとしているんだという罪悪感。色々な思いが駆け巡りました。
しかし、現実に妻が浮気したことは事実であり男の口から色々聞き出した心境が日々高まってきていたのです。
* * *
妻は隠し続けたいたことを話したせいか、胸の支えがとれたように意外とサバサバしており罪悪感が薄れたようでした。反面、僕は表面上は平気さを装っていても常にイライラ状態でしたが寛大な態度をとり続けておりました。
倦怠期であった夫婦生活の夜の営みが突如、嫉妬心が燃え上がり毎晩のように妻を求めました。
「わたしが浮気したことを話てから、あなたって本当にすごいわね、どうしちゃったの?」
妻は満更でもなさそうにいつも応えてくれました。今までおろそかにしていたキスやシックスナインなどの前戯にもするようになり確かに新婚当時が蘇ってきたものです。
「そいつにもこうしてあげたんだろ?」
ジュボ、ジュボと唾液を絡ましながら一生懸命フェラチオをする顔を眺めてついつい聞き出したくなるのです。
「避妊はしてたんだろ?」
「中出しもされたんだろ?」
「そいつとバックからしたんだろ、気持ちよかったか」
まだまだ色々と聞き出したいことが次々と思い浮かんでくるのです。
「・・・もう、いいじゃない、聞かないで」
そう言って答えようとはしないだけに尚更、妄想が拡大してしまうのでした。
・・・妻がその男とやっているところを見てみたい! そんなとんでもない発想が脳裏を横切りました。僕はいつのまにか、変態的な妄想に取りつかれていきました。
* * *
いつもの如く妻を抱いた後、別れた理由をどうしても知りたくて聞き出しました。
「それは・・・わたしからよ、だっていつまでもあなたに隠し通せる自信はなかったし・・好きな人ではあったけど・・やっぱりお互い家庭があるし、いつかは壊れてしまうという罪悪感からかなあ・・・」 聡明な妻らしい考えでした。
「それからは逢ってないの?」
「ええ、一度も」
「そいつからは連絡ないの?」
「まだ・・・時々・・あるけど・・断り続けてるわ」 やっぱり、男の方が未練はあるのです。
「彼と逢わないつもりがあったからあなたに告白したのかもね。そうすればもうどんな誘惑にも勝てるから」 妻は寂しそうに微笑ました。
何とか、男と逢わせてみたい、そしてもう一度抱かれる姿態を妻には内緒で覗いてみたい。そんな気持ちがますます高まってきたのです。
* * *
この話がフィクシンか、ノンフィクションは読んでいただける人の判断に委ねます。ただ、世間一般の夫婦の場合、おそらくどちらかの不倫、浮気で離婚された例は数多くありましょう。絶対に許せない、それが普通かも知れません。この場合は僕が思うにはですが真面目な人ほど許せないが結構、遊んでいる人ほど寛大に許しているように思うのです。
僕の場合も後者でした。結婚前も結婚してからも妻に隠れて何人かの女性と浮気しました。人妻も含まれています。
妻の浮気告白は確かにショックではありましたが基本的には許せたのです。ある人妻と不倫関係に陥っていたのも妻が浮気していた頃でしたのである意味でお互い様だったのかも知れません。その人妻いわく僕に抱かれた後 「あなたの奥さんも今頃誰かさんとこうしているかもね」 と冗談交じりに言われたものですが 「いやあ、妻に限って浮気なんかできやしないよ、そんな女じゃないんだ」 と言ったものです。自分の妻だけはそんな軽い女ではない、そう思う夫族は多いのです。
僕が他の人妻を抱くように妻もその男の首に腕を巻きつけて激しく悶え狂う姿態を覗いてみたい願望は妻の告白を聞いて以来日増しに強くなっていきました。そしてそのきっかけを何とかつくりたくなり妻の相手であった男性に会うことにしたのです。もちろん妻には内緒で・・・
* * *
何から話すか、それはそれは迷いました。勇気ある決心と言えば大げさかも知れませんが当事者である僕にとっては悩みぬいた決断だったのです。
携帯電話にでた男の感じは爽やかでした。
「中山といいます、美沙の夫です」
「は?・・・はい、ど、どうも」 相手が一瞬たじろいだ様子が伝わってきました。
「話があるんですが・・・会えませんか」
「・・・はい・・」
会う約束をしてからどんな男性なんだろうかという、モヤモヤしていた気持ちが吹っ切れました。
30代半ば、中肉中背でサラリーマン風の身なりの良い男でした。僕に会うなり深々と頭を下げて 「申し訳ありませんでした」 と身体は震えていました。僕は何も語らずに間仕切りのある居酒屋へ連れていきました。
「色々と聞きたいことがあるんだ」
二人共チューハイを飲みながら聞き出すことにしました。
「わかるよね、僕が何をいいたいか・・・」
「はい」 男は目を伏せたまま、震えたままでした。
「もう、三年前のことだから・・・過ぎたことだからそれほど怒っちゃいないよ、だけど質問することには正直に答えてくれ」
「はい、分かりました」 男は喉の渇きを癒すかのようにチューハイを飲み干すとようやく僕の目と視線を合わせました。
「妻とは何処で知り合ったの」
「え? 知らないんですか?」
「妻は教えてくれないんだ」
「で、どうして僕がわかったんですか」
「それはちゃんと調査したからさ」
「そうですか・・・わかりました」
男の話によると色々なことがわかってきたのです。
* * *
妻の車がパンクして修理してくれた後に偶然会ったということは同じ言い分で嘘はなかったのです。そして何度か食事やメール交換していくうちに打ち解けていくうちにあまりにも色っぽい妻をついつい誘惑してしまったと告白したのです。
お互いチューハイを何度もお代わりしていくうちに酔ってきていました。僕が和やかにしていたことも安心感を誘ったようです。
「実は・・・僕、中山さんに殴られることを覚悟してたんです、本当に怖かったですよ」
「そう思ったこともあったけど、妻も合意の元だったんだからね、君だけを責められない」
「本当に申し訳ありませんでした。・・・で、僕はどうしたらいいんでしょうか、お金ですか?それとも・・・」
「それは考えていない、まあ飲もう」
男は酒に弱いようで顔はすでに真っ赤になっていました。
「でも、奥さん、綺麗な方ですよね」
妻を誉められれば悪い気がするはずもありません。
「いや、でもね、何年も一緒にいるとそれが感じなくなるんだよ、そして倦怠期になるしね」
「ああ・・・分かります、僕のところも今そうなんです」
笑いながら話ていくうちに親近感が沸いてきました。
* * *
「ところで妻はどうだった?」
「どうって言いますと?」
「つまり・・・抱いた感想だよ」
「ええ! そんなこと中山さんの前では・・言えないすっよ」
「いいじゃないか、酔った酒の上での話として聞きたい」
男は少し間を置いて喋り始めました。
「奥さん・・いい身体してますよね、うちのとは比較にならない」
「ん?君の奥さんは?」
「ぺチャパイなんですよ、それに下手で・・・」
「何が?」
「つまり・・・エッチが・・・です」
「妻はどう上手いの?」
「全てがです、キスも、あれも、そして燃え方が最高です」
「あ、すみません、酔った勢いでこんなこと言ってしまって」
僕はもっと話を聞きたくて誘導尋問を続けました。
「キスは好きな女だからな、あれってフェラのことだろ?」
「・・・はい、本当に蕩けるような上手さで・・忘れられません」
「またしたいと思ったことは?」
「いいんですか、こんなこと喋っちゃって・・」
「いいよ」
「僕はまた逢いたいけど奥さんが貴方に悪いからって別れたのですよ」
男は妻に未練がありました。僕の妄想が現実化する手前まで話は進んでいきました。
* * *
「あら、ご機嫌ね」
酔って帰った僕の顔を見て妻は何の疑いもなく笑っていました。その晩、男の顔を知った僕は嫉妬心が燃え上がり妻を抱きたくなっていたのです。
「どうしたの、今日は元気よ。何かあったの?」
ベッドに入ってきた妻を引き寄せると既に勃起状態の肉棒を握りしめ目を閉じて口に咥えました。いつのも生暖かいネットリとした感触が体を包み込み始めました。
・・・あいつにもこうしてあげたのか・・・
妻の頭が上下し髪から甘いシャンプーの匂いが微かに漂うと男との絡む姿の妄想が膨らんでいきました。妻を横抱きにしてクリトリスを指で刺激しながら反応を楽しんでいました。
「ああ・・・だめ、そこ、感じちゃう」
「ねえ・・・いれ・・て・・お願い・・・」
感度のいい妻は悶え始めてきました。感じ始めると自然に舌を出してキスを求める性癖があるのです。
「浮気・・したいなら・・しても・いいぞ」
「バカ・・・もう・・言わないで・そんなこと」
「僕がいいっていってるんだから・・・」
クリトリスを擦ると妻はのけ反りました。
「あう・・・だめえ・・・いっちゃう。いれてえ・・・」
「今入れるから・・浮気したいと言ってごらん」
「変な人、自分の妻に浮気をそそのかして・・・」
指を奥深く挿入するとグッショリと濡れてました。
「いいの?・・・本当にいいの?」
「ああ、いいよ・・う・わ・き・していいよお・・・」
妻に覆い被さった僕は声を上げながら挿入して果てました。それほど妄想感は僕の五感を刺激したのです。
* * *
「美沙さん、奥さんは何と言ってました?」
男から電話が入ったのは翌日のこと。
「もう一度、浮気してもいいよって言っておいたけどまだ何とも分からない」
「電話していいですか?」
「ああ、絶対に僕と君が会っていることは内緒だぜ」
「わかってます、もう一度奥さんに逢えるなら・・約束守ります」
携帯電話口から男の興奮している様子が伝わってきました。
僕の作戦はもう一度、妻と男が逢えば関係が復活する。そうなった場合、妻が男に抱かれて悶える姿態をいつか覗き見できるかも知れない、そんな漠然とした考えがあったに過ぎませんでした。
* * *
男は今までも何度か電話したようだが断られ続けていたことは聞いていた。ほぼ諦めかけていた時に僕と会ったわけだ。殴られることを覚悟していたようだが逆に妻と会ってもよいという思わぬ言葉に安心したのかどうやら男は妻に電話したらしい。
「明日、土曜日なんですが逢う約束してしまったんです・・・いいでしょうか」
男から電話があったのは前日の金曜日。
「・・・妻は承諾したの?」
「ええ、何とか、お食事だけならと言ってました」
「そうか」
あれほどもう逢わないと言っていた妻がやはり誘惑に屈してしまったことに少なからずショックでしたが反面期待していた通りにコトが進んでいることに妄想が現実化しつつあり鼓動の震えが大きくなりました。
その晩、ベッドに入っても妻が何年かぶりに男に隠れて逢うことを想像しただけで妄想は膨らみ続けました。
・・・あいつと逢って・・・食事して・・・それからどうするのだろうか・・
ホテルへ誘われて久しぶりに抱かれる心境はどうなんだろうか、そんな妄想が具体的に次から次へと脳裏に現れるのでした。ベッドに入ってきた妻を何気なく求めるとやはり・・・拒否されました。
「ごめんね・・今日は疲れちゃって・・それに明日サカエダさんと一緒にお買い物へ行くのよ、いいでしょ」
サカエダさんとは妻の女友達だがバツイチ、嘘をかばってくれるいい相手なのでしょう。
土曜日の朝、寝坊した僕が目を覚ますと寝室のドレッサーの前で身支度をしている妻がいた。鏡の前で髪をブラッシングをし、メイクの最中だった。僕は薄目を開けてその様子を眺めてきた。僕が起きたことに全く気づいておらず、真新しいベージュ色のブラとパンテイ姿にしばらく見入っていた。セミロングヘアから伸びたつるりとした肩先、背筋が綺麗に通って腰周りはキュッっと細くそして肉付きのいいヒップ。スラリと伸びた細い脚、若い頃モデルをしていたせいか到底年齢には見合わない身体つきでセクシーだ。
純白の襟の大きなシルクのブラウスを着てクリーム色のミニスカートを履く姿は妙に艶めかしい姿だった。そしてそのミニスカートの中に甘い香りのオーデコロンをヒト吹きしパンテイストッキングをはいて身支度は整ったようだ。
* * *
「妻は今、出て行ったよ、何時に逢うの?」
僕の機嫌悪い言葉に男は声を詰まらせていました。
「・・・お昼を一緒にと誘ってますので多分、12時頃になると思います・・・やはりダメでしょうか?」
「いいよ、今更・・それに、妻が承諾したんだから仕方ないよ」
「すみません」
「ただし、ことの全てを報告する義務は忘れるなよ」
「はい、分かってます」
焼けボックリに火がついたとはこのことでしょう、正直な妻が嘘をついてまで男に逢いに出かけたことは僕が仕向けたこととはいえ、複雑な心境でした。
・・・おそらく、男は食事の後ホテルへでも誘うだろう、妻の身体が欲しくて欲しくてならないはずだ。妻も散々、身体を開いたことがあるだけにその誘惑には負けてしまうだろう・・・ああ。見たい、その場面を見たい。
ベッドの中から抜け出せないまま携帯を握りしめていました。
* * *
午後を過ぎるとソワソワして落ち着いていられなくなりました。今頃・・・妻は・・・男の腕の中で悶えているのか、それとも上になって腰を激しく振って嗚咽を上げているのだろうか・・
妄想が極度に膨らみ頭が狂わんばかりでした。
4時過ぎに携帯電話が鳴りました。男からでした。
「で?どうだった」
僕は冷静さを装って声を落として聞きました。
「・・・今、別れました」
「やったのか?」
「・・・はい」
小さな返事を聞いた瞬間になぜか、勃起してしまったのです。妄想ではなく、現実にその行為が行われたという事実に反応してしまったのです。
「聞かせてくれよ、ことの一部始終を・・・」
「はあ・・・」
「その約束だろ」
男はしばらく無言のままでしたが意を決意したかのように喋り始めました。
「食事をして」
「何処で食事した?」
「。。。です」
そのファミレスが脳裏をかすめます。
「それから・・・僕の車に乗っていただいて・・・。。。というホテルへ向かいました」
インターチェンジ近くにあるラブホテルです。
「妻は黙ってついて行ったの?」
「・・・ええ、いいですかって聞いんですが・・・」
「うん、聞いたら?」
「うなずいてくれました」
車の助手席に座っている妻が抱かれることを覚悟してか、期待していたのか。
「それで・・・」
「部屋に入りました」
「そうか、黙ってついていったんだね・・妻は」
「はい」
「それで・・」
「美沙さん、いえ、奥さんを・・」
「妻を?」
「後ろから抱きしめました、あまりにも久しぶりだったので我慢できなかったんです」
「そうか・・・」
「立ったまま・・・振り向いたのでキスをしました」
その情景が目に浮かびます。
「そして・・ソファに倒れるようにしてキスをし続けました」
「積極的に、それとも強引に・・・」
「お互い・・・積極的にしました、奥さんはキスが上手いんです」
妻が舌を差し出して男の舌を求めるようにしたのでしょう。
「それから・・?」
「それから・・・僕、我慢できなくなってベッドに運びました、ベッドの上でお互いずうっと抱き合ってキスを続けました」
「ふう・・・」
僕はため息が熱く感じられました。
「それから・・・奥さんのスカートに手を入れてパンテイを脱がそうとしました」
「そうしたら・・・奥さんはブラウスがシワになるからといって自分から脱いでくれました。パンテイとブラジャーだけの姿になってくれました」
朝、身につけていた真新しいベージュ色のブラとパンテイ姿を思い起こしました。
「僕も全部、脱いで・・・奥さんの下着を脱がしながら・・そのまま・・・」
「素裸になって・・・妻とセックスしたんだね」
「・・・はい」
「どうだった」
「本当に・・よかったです、暖かく濡れて締まる感じはいいようがないほどです、それに・・・」
「それに?」
「積極的に上になったり、下になったり・・・しました」
「ゴムは? つけたんだろ?」
「・・・奥さんが今日はそのままで大丈夫って言ってくれたので」
「生で、中出ししたのか」
ショックでした、男の精液を生で中出しされるとは・・・
「すぐ、イってしまいました」
「それから?」
「それから・・・二回目を・・」
男の話はまだまだ続きました。
* * *
「久しぶりだったせいか、奥さんもすごく積極的だったと思います・・しばらく休んでからお風呂に一緒に入りました。ジェットバスに・・・泡をいっぱいにして・・」
最近のラブホテルには常設されているのは僕も知ってました。
「お互い身体を洗いあいました」
「妻は・・・妻は・・・フェ・・フェラもしたのか」
「・・・あ、はい・・とっても上手に・・・してくれました」
髪が濡れないようにアップして泡まみれになった男を咥えた姿を妄想すると痛いほどの勃起状態でした。
「それからまた・・・ベッドに戻って二発目を・・しちゃいました」
「また・・中出ししたのか、妻は・・・受け入れたのか?」
「はい」
しばらく沈黙が続きました。僕が妄想していた現実が実際に行われた事実だけが残ったのです。
「また・・また妻を抱きたいか?」
「・・・はい、出来れば・・・」
「そうか・・今度は僕がこの目で現場を・・・見てみたい」
「え!・・今・・・何と?」
「こっそり、妻の不倫現場を見てみたい」
「そ、そ、それは・・・無理です、恥ずかしいです」
「嫌なら・・・これっきりにしてもらわんと・・」
「そんな・・でも、どうやって・・」
「君にも強力してもらわんと出来ないが・・・」
僕の計画を一気に喋りました。男は妻を抱きたいがために、また僕の気持ちを察してか、ようやく納得してくれました。あくまでも妻には内緒の計画でした。
* * *
夕方遅くに妻は買い物袋を下げて帰ってきました。何事もなかったかのように・・・・。
「遅くなっちゃったわ、ごめんね、サカエダさんとお喋りしちゃって、今から夕食の支度するわ、美味しいもの買ってきたわよ」
明るくいつもの妻でした。
「ああ、お腹空いたよ・・早くしてくれよ」
キッチンに立つ後ろ姿を眺めながら今日、二発も男の精液を受け入れた妻とはどうしても信じられないものでした。時折・・・ふっくらと形よいヒップがくねります。この真っ白なヒップを突き上げて後ろからズンズン挿入され快感を得たはずです。エプロンの下の乳房は男の手で揉まれ吸われ乳首を舌で舐めまわされたはずです。
「何・・・見てるの? 気持ち悪いわね」
僕の視線に気づいた妻は幾分、恥ずかしそうな素振りをしました。ぷっくらとした可愛い唇は散々、男とキスをし男の肉棒を咥えたものでした。
・・・僕は・・・知っているぞ・・・本当は声を大にして言いたかったのです。