淳也は中堅商社の経理部勤務でここ3月決算期で仕事が忙しくてストレスが溜まっていた。いつの間にか結婚八年目の妻、理恵とのセックスもおざなりになって2ヶ月ほど過ぎてきた。
既にお互い倦怠期に入っておりどちらからも求めようとしない。
淳也はその日、仕事が一段落して今日は久しぶりに妻を抱いてやろうか、そんな気持ちでベッドに入ったが妻は背を向けて寝入っており抱くことをあきらめて寝ようとした。
「今日は早いのね」
理恵は背を向けていたが起きていたのだ。
「ああ、久しぶりに早く寝ようとしたんだけど・・・エッチしたくないか」
淳也は寝返りをうって後ろから理恵のパジャマの胸元に手を入れてみた。
子供が出来てから弾力性はなくなったがふくよかな乳房の手ごたえは変わらなかった。
「・・・もう、だいぶしてないわね、それってお義理?」
「ここ忙しかったけど一段落したんだよ、だから、今夜はしようと思ったけど・・」
「思ったけど?どうするの、するの、しないの?」
「どっちでもいいや・・・」
結局、二人は互いに背を向けて会話していた。
「私も・・・同じよ」
「・・・これって倦怠期かな」
「そうね、倦怠期ね、明らかに」
沈黙の時間がしばらく続いた。
「僕達のような夫婦は世の中にいっぱいいるだろうけどどうしてるんだろうね」
「どうかしらね・・・浮気とか・・・不倫とかしているのかしら」
「あなた・・浮気したことある?正直に言ってみて」
淳也はドキっとした。何度かある。でもそれは旅行先や酒を飲んだ勢いで抱いた女のことであった。
「な、ないよ」
「ウフフ、怪しいわね」
淳也の心を見透かしたような理恵の言葉であった。
「お前はどうなの」
「あるわけないじゃない、第一そんな機会なんてわたしにあると思う?」
二人の仲は冷え切った関係でなく夫婦というより友達感覚、兄弟のように何でも話せる間柄であった。基本的には愛情がある仲良し夫婦なのである。
「でもさあ、願望はあるだろ?」
淳也は理恵の心の奥を探り出したかった。
「ないと言えば嘘になるけど・・・じゃああなたは?」
「正直言って僕も願望はあるよ」
「でも結婚した当初はそんなこと考えても見なかったけど、子供にも手がかからなくなって十年も経ったらいつの間にか倦怠期入りとはね、」
いつしか二人は互いの心を開いてそんな話になっていた。
「もし、僕が浮気したらどうする?」
「そうよねえ・・そのことがわかったら私も仕返しにするかもね」
許せないわ、理恵は本気でそう思っていた。
「じゃあ、わたしが浮気したらどうするの?」
「そうだなあ・・・ショックだけど離婚する気はないしきっと許すだろうな」
夫の意外な答えに理恵は驚いた。
「へえ、そうなの、嬉しいわ、じゃあ・・。ある人とデートしていい?」
「おいおい、冗談いうなよ、そんな相手いるのかい」
「じつは誘ってくれる人がいるのよ」
淳也はその妻の言葉にドキドキしたものを感じていた。
「誰なの?」
「教えない」
「いいじゃないか、何処の誰なのか知りたいな」
理恵の声が幾分上ずっていた。
「じゃあ、教えたらデートしていい?隠しごとしたくないのよ、ちゃんとあなたの了解を得てからにしたいの」
理恵は正直な女性であった、貞淑な性格だけに後ろめいた行動はしなくなかったのだ。
「ドライブとか、映画とか食事とか・・・それだけよ」
淳也は考えた、寛大な夫である自分を妻に見せしめたかった。
「それだけなら・・・別にいいよ、お前だって僕以外の男とデートしたことないだろうからな、隠れてこそこそされるよりマシだよ」
「ホント?!いいの、嬉しい、あなったって理解あるわ」
理恵は本当に嬉しい様子だった。
「ところで誰なの?」
「だから、もし本当にデートしたら教えてあげる」
淳也は妻のウキウキした言葉に異様な興奮を感じてきていた。
もし、自分がその男の立場だったらどうするんだろう・・・きっとチャンスがあれば誘惑するかも知れない。
安川理恵、35歳、165センチ、47キロのスレンダー体形だがセミロングヘアが良く似合う清楚なセクシータイプの美人妻だった。
淳也は映画シーンのように妻がホテルのベッドで見知らぬ男性とキスをして白い裸身をさらし男の背中に腕を廻してのけぞっている姿態を妄想していた。
その時、淳也の男根に熱い血が流れ不思議な感覚が襲い始めていた。
(妻の痴話に・・・勃起してきている・・・もし、これが現実となったらどうなるんだろう)
倦怠期に初めて刺激的な時間が訪れた瞬間だった。