男は見ていた
女が浜辺を走り、砂を蹴り、波を追うのを
髪の毛も服も濡れて体にまとわりついている
だが戯れの楽しさのあまり、女はまったく気にしない
男は気づく
女が下着をつけていないことを
薄地のシャツの下、女の胸が見えている
女は一人戯れ、男が見ていることを気にしない
ふと、大きな岩のそばで立ち止まり、もたれかかった
額にかかる髪を後ろに跳ね上げ、空を仰いでいる
静かに感謝をするように、両手を空に掲げている
それから・・・
両手を服の中に入れて、両足を広げる
そして・・・
みずからオルガスムスへと導いていく
急速に
雨粒に全身を叩かれながら
そして・・・
辺りに人がいないか素早く確かめた後、濡れた衣類を脱ぎ捨てる
波間に駆けて行く
女はまだ男に気がついていない
女が男の方向を見た
男はうずくまって隠れた
ふと、女が海中に消える
しばらく経ち、体を震わせながら、海中から現れた
濡れたシャツとスカート
きちんと着ようとするが手こずっている
じきに、独り肩をすくめてみせる
きちんと着るのを諦めたかのよう
女は、ゆっくりと歩き、車に戻っていった
男はじっと待っていた
女の姿が見えなくなるのを
そして隠れ場所から、自分の車に戻っていく
男は思った
またいつの日か・・・彼女は現れるだろう
彼女のイメージを、いつまでも忘れない
彼女が堪能していた自由の感覚も