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女はアパートの部屋に入った

暗い部屋

カーテンが全部引かれている

散乱した部屋の中

そろりそろりと注意深く、床に散らかるものをよけて歩く

道具

部品

雑誌

子供向けのロボット猫のおもちゃ

部屋のかどの向こう

彼を見つけた

ベッドの隅に座っている

両膝を胸に当て、丸くなって座ってる

両手の指を組んで脚を抱えて

うつろに空間を見つめていた

私が入ってきたのを知っている

だが一言も話さない

彼の隣に座って、手を差し出した

でも無視してる

それにもひるまず、手を差し出した

背中に手を当て、ぎこちなく背中をさすった

ひきつるように緊張している背中



「まだ痛むの?」



答えない



「私にできることがある?」



答えない



「あなたを楽にしてあげられたらいいのに」

体を傾けた

もう片腕を回し、包むように抱き寄せた

彼はくぐもった声を上げて、両腕をまわして抱きついてきた

しがみつくように抱きついてきた

まるで何かに怖がっているかのように

すがりつくようにしている

それに応えて抱き続けた

じっと

長い間

彼が腕の力を緩めるまで

頭を私の肩に休ませながら、抱き寄せる腕を降ろすまで


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