女は、体を拘束するものに抗っていた。
男にしっかりと拘束されてしまっていた。
だから、無駄な抗い。
それを知りつつ、拘束具に抗う。
赤い拘束具で念入りに縛られた両手首。
それが、ドアの左右のフックに掛けられている。
上から体が吊されている。
かろうじて足先だけで床に立たされている。
両足首の間に据えられた「足開け板」。
女は、それに抵抗するように、足の筋肉を張りつめていた。
全身、汗で照り輝いていた。
猿ぐつわを通して、弱々しい声を上げる。
部屋じゅうに据えられた強力な照明の数々。
これほどまでに明るく体を照らさなければいいのに。
これほどまでに熱く体を照らさなければいいのに。
体中の汗。
筋肉の緊張。
その原因ははっきりしている。
男が注意深く自分の体に埋め込んだ二つのバイブ。
二つとも根本まで埋め込まれている。
外からは握りしか見えない。
静かに唸る機械音が部屋に響く。
バイブは、Tバックのように見える細い革ひもで固定されていた。
革ひもは両腰骨で結ばれ、細い線となって股間を渡り、お尻へとつながる。
女はさらに体をくねらせた。
バイブからの快感がもどかしい。
もっと快感を送り込んで欲しい。
過剰に敏感になってしまった体を癒して欲しい。
放置されて、まだたったの15分。
でも時計がないので時間が分からない。
そして、男も、いつ戻ってくるか。
それも分からないのだ。