女は不安に体を振るわせた。
自分の周りを見渡しても、何も見えていない。
思考の中にすっかり溺れきっているから。
「心」が女に警告する。
ちょっと待ちなさい。
誰もあなたを見なかったらどうするの?
誰にも相手されなかったらどうするの?
「体」は「心」を裏切った。
「心」ともども、女を先に連れていく。
「体」は女を励ました。
やってみるのよ。
どうなるのか、確かめてみるのよ。
女は静かに立っていた。
一人、議論を戦わせながら。
そして、決着が付く。
女は部屋の中に入っていった。